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麻生さんも誤解?中国人民銀総裁「バブルがはじけた」発言の真相はこうだ

中国市場「4つの不安材料」の彼方に見える、一筋の光明

下げ圧力は4つほどある。

1つ目は、場外融資の整理がまだ終わっていない。残高がはっきりしないが、数千億元程度の残があり、今後も相当の売り圧力が出てくると見られる。

2つ目は、市場に対する粛清である。悪意のある空売り、インサイダー取引、虚偽情報の流布など、あらゆる違法行為を厳しく取り締まっている。指数先物取引には売り方向に制限がかかっている。売り崩しはなくなるが、市場の活力もなくなり、買い手がいなくなる。

3つ目は、景気悪化懸念である。構造改革を進める中、経済がV字回復するはずはないし、当局にそのつもりもない。景気は今後4~5年に渡り、緩やかに速度を落とし続けることになるだろう。それに対して、当局の目標は高すぎる。景気要因がいつまでたっても、ネガティブな材料となり続ける。

4つ目は、トレンドである。本土市場はいったん下げトレンドが出ると、それが長期化してしまう。投資家は株式市場を投資としてではなく、投機として捉えている部分が大きい。したがって、ブームとなれば資金が短期間に集中するが、ブームが去れば、資金は緩やかに離散する一方となる。ブームの到来は、まるで忘れたころにやってくる長い周期の彗星のようである。

弱気な材料ばかり挙げてしまったが、上げ要因もある。

これからの経済発展に株式市場は必要不可欠である。経済は資本投下さえすれば拡大するような段階を過ぎ去ってしまった。また、労働人口は横ばいから減少に向かい始めている。新規産業を起こし、技術進歩を加速させなければならないが、新規産業に資金を回すには銀行の貸出では間に合わない。

どうしても資本市場の助けが必要である。

周総裁は「上昇相場を形成してきたマクロ要因に変化はない」と指摘している。

構造改革を推し進め、技術革新を起こす。製造業は加工組立産業から、高度な先端産業に重心を移し、産業構造は製造業から、消費、サービス産業など非製造業へと重心が移る。全面深化改革、戦略的新興産業の育成・発展、一帯一路戦略の加速などによって、中国は次の発展段階に移ろうとしている…。

9月11日現在の上海市場における平均PERは15.81倍に過ぎない。過去の水準と比較すれば、すでにフェアバリューと言ってよいだろう。

しばらくは底値形成が続く可能性があるが、最悪期は過ぎ去ったと見てよさそうだ。

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中国株投資レッスン』(2015年9月17日号)より一部抜粋
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による

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TS・チャイナ・リサーチの田代尚機がお届けします。中国経済や中国株投資に関するエッセイを中心に、タイムリーな投資情報、投資戦略などをお伝えします。中国株投資で資産を大きく増やしたいと考える方はもちろん、ただ中国が好きだという方も大歓迎です。

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