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なぜトランプはサウジ記者殺害の王室をかばう?~原油安は米国によるサウジへの制裁=江守哲

G20にムハンマド皇太子が出席か

ムハンマド皇太子は、外遊の一環として11月末にアルゼンチンで開かれるG20サミットに出席すると報じられています。

トランプ大統領は「会うかもしれない」と発言していますが、いつもの思い付きの発言ですので、まだわかりません。

サウジ王室も揺れている

一方で、カショギ氏殺害事件によるサウジへの批判が世界的に高まる中、サウジ王室でムハンマド皇太子の王位継承阻止を模索する動きが一部に出ているもようです。

サウジを支配するサウド家の王子ら数十人が王位継承の見直しを望んでいるとされています。

ただし、サルマン国王が息子であるムハンマド皇太子への継承に反対する可能性は低いとみられています。さらに、サルマン国王の生存中は行動を起こさない方針とみられています。

これらの王族は、サルマン国王が死去した後に、サルマン国王の弟であるアハメド王子を後継に充てる可能性を協議しているとされています。アハメド王子は海外で2年半過ごした後、今年10月にサウジに帰国したとされています。アハメド王子については、サウド家や治安組織のほか、一部の欧米主要国の支持を得るとの見方を示しています。

サウジ王位継承問題の背後にも「米国」

このような動きの背景には、実は米国がいます。

複数の米政府高官はサウジのアドバイザーに対して、サルマン国王の後継候補としてアハメド王子を支持する考えを示唆しているといいます。

ムハンマド皇太子はこれまでに社会・経済改革を実行してきました。万が一、ムハンマド皇太子が後継できず、アハメド王子が後継者となった場合でも、ムハンマド皇太子が実行したこれらの政策や改革は撤回されず、既存の武器調達契約も維持されるとみられています。

また、最も重要な「王族の結束」を取り戻すとされています。

ムハンマド皇太子がカショギ氏の殺害を指示したとの米中央情報局(CIA)の判断が出ていますが、トランプ政権はムハンマド皇太子と距離を置くことを急いでいないようです。

つまり、能動的にサウジとの関係を変えることはしないようです。

しかし、トランプ大統領が事件に関する最終報告書を受け取った後に方針が変わる可能性はあります。

Next: 米当局はサウジの態度にいらだっている? 重い決断を迫られるトランプ

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