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少子高齢化で日本は生涯現役「強制」社会へ、死ぬまで働く私達が幸せになる唯一の方法は?=鈴木傾城

金融資産が1億円以上あれば可能

実際問題として、アーリーリタイアは日本でも不可能ではない。たとえば、金融資産が1億円以上あれば、アーリーリタイアは可能になる。もし本人が望むのであれば明日からでもできる。

1億円を高配当の株式で回していれば、毎年300万円なり400万円なりが定期的に入ってくるわけで、その範囲内で慎ましく暮らせるのであれば、あとはボランティアだろうが趣味だろうが、好きなことをして生きてもいい。

しかし、普通に働いている99%の日本人は1億円の金融資産を持っていない

厚生労働省の『国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況)』によると、一番貯蓄額が大きい60から69歳でも、1,339万円程度でしかない。全世帯の中央値は約1,033万円、高齢者世帯でも約1,224万円である。

普通に働いて給料をもらっている「だけ」の人たちは、金融資産1億円に到達するのはかなり厳しいというのが統計でも見て取れる。

1億円の限界を突破できるのは成功した起業家・経営者・会社役員、成功した芸能人やスポーツマン等の表現者、遺産相続した一族、そして一部の金融リテラシーを持った狡猾な人たち等が中心である。

こうした人たちは「望めば」アーリーリタイアが可能になる。

1億円を突破できる人は働くのをやめない…

だが、非常に皮肉なことがある。1億円の限界を突破できる仕事に就いている人は、遺産相続した一族を除けば、そのほとんどが「自分のやりたいことを仕事にして稼いでいる人」である。

こうした人たちは、仕事が好きで好きでしょうがないのでアーリーリタイアを考えようとしない。

今やっている仕事が好きで好きで仕方がないのであれば、それをやめることの方が苦痛になる。だから、「生涯現役社会になる」と言われれば涙を流して喜ぶことになる。一生「好きなこと」ができるのだから喜ばないわけがない。

それで稼げるのであれば、なおさら仕事をやめようと思わない。だから、アーリーリタイアができる人が、逆にアーリーリタイアをしない

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