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カルディを急成長させた無料コーヒーの魔力とは?強気の出店攻勢に死角はあるか=長浜淳之介

客を引き寄せる巧みな商品展開

カルディでは、世界を小旅行するようなワクワク感のある店づくりを目指しており、季節を意識した企画によって投入される商品も多い。

例えば、昨年の11月1日から12月25日には「クリスマスマーケット」をテーマとした約250種もの限定商品を投入した。商品例としては、ヨーロッパで楽しまれている温めて飲む、ワインにフルーツやスパイスを加えたほんのり甘いホットカクテルである「グリューワイン」を、オリジナルデザインのカップとセットで企画。11月6日には赤ワインとネイビーの陶器のセット、12月1日からは白ワインと白の陶器のセット(各250ml、753円税込~以下同~)を、それぞれ販売した。

クリスマスギフトティン(カルディHPより)

クリスマスギフトティン(カルディHPより)

また、八角形のメルヘンチックな缶箱に入った「クリスマスギフトティン」(1,998円)を11月下旬より発売。缶の中には8つの小箱が入っており、チョコレート、クッキー、マシュマロなど7種類の菓子が楽しめるというものだ。大切な人へのギフトだけでなく、自分へのご褒美の用途での購入も多い。

また、19年の新春初売り日には、コーヒー食品ワインの福袋を発売(価格は1,700~6,000円)。

この他、12月中はパーティーシーズンに向けた「チーズ&ミート特集」や、年越しそばや我が家流の年末年始を過ごしたい人向けの和の食品を集めた「歳末 おいしいものに目がない特集」が同時並行で行われていた。

力を入れているチーズ、ハム・ソーセージ

力を入れているチーズ、ハム・ソーセージ

「チーズ&ミート特集」では、七面鳥の肉厚な下もも肉を骨付きのままスモークした、自然解凍で食べられる冷凍食品「スモークターキーレッグ」や、カマンベールチーズにリンゴのお酒カルヴァドスを混ぜ込んで製造した「プティ・カマンベール・オ・カルヴァドス」などを販売。

一方の「歳末 おいしいものに目がない特集」では、八丁味噌の老舗・カクキューと讃岐うどんの老舗・石丸製麺がタッグを組んだ「もへじ 半生味噌煮込みうどん」、秋田の燻製漬物いぶりがっこをマヨネーズで和えた素朴で懐かしい味わい「オリジナル いぶりがっこマヨ ポテトチップス」などを販売している。

鍋に使う、鍋つゆも一味違う商品が売られている。一番人気は昨年約40万袋を販売したというもへじ 塩レモン鍋つゆ」2~3人前で、昨年はテレビ番組でも取り上げられ、非常に売れた商品だ。これは、さわやかなレモンの酸味と香りが素材の味を引き立てる、チキンベースの鍋つゆで、薄切りの豚肉または鶏もも肉などと、お好みの野菜などの具材を煮込んで食べる。さっぱりしているので量が食べられ、忘年会、新年会の定番鍋に飽きた時などに使ってみたいといった、実際に購入した人の感想が多いようだ。

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ハリッサ風鍋の素(カルディHPより)

新商品としては、19年1月には、今年のトレンド鍋である激辛“しびれ鍋”に対応して、「オリジナル ハリッサ風鍋の素」と「オリジナル 八角シナモン香る胡麻坦々鍋の素」(共に213円)を販売。

「ハリッサ風鍋の素」は、地中海沿岸生まれの唐辛子をベースにした調味料ハリッサの風味で、エキゾチックなタジン鍋がイメージされている。好きな具材と水を加えて煮込むだけの簡便さをアピール。

「八角シナモン香る胡麻坦々鍋の素」は、味噌、練り胡麻、ピーナッツのクリーミーな味をベースに、豆板醤、山椒で辛味を付けた坦々鍋スープだが、八角とシナモンのほのかな香りが差別化のポイントである。

この他、既存の商品では火鍋の素、付属のイサーンソースを付けると激辛になるタイ風ハーブ鍋セットなども、手軽に本場の味を再現できる商品とのことだ。

冷凍食品では、近年進化が目覚ましい冷凍チャーハンも、カルディではトムヤムチャーハン、ガパオチャーハン、ルーローチャーハンと、タイや台湾といったアジアンテイストに振った独自の展開を行っている。

Next: 大人気のカルディに「死角」はあるか?

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