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どう見る東芝。投機家と元電機メーカー幹部、2つの視点=山崎和邦

どう見る東芝(2)元大手電機メーカー幹部・Kさんの視点

投資歴の長い百戦錬磨のKさん(前出のKさんとは別人)は、某大手電機メーカーの幹部として長く活躍した方で、電機メーカー全般の事情、実務に精通しておられる。

『投機の流儀』の古くからの読者でもあり、筆者とは夏季に信州蓼科高原で互いの避暑生活中に彼の別荘で毎年会うという関係である。裏表を何でも話し合う間柄とまで言える。

そのKさんから12日に、東芝の件でメールが着信したので許可を得た上でご紹介する。

大手電機メーカー幹部・Kさんからのメール:

私は400円から東芝株を買い下がり、かなりの評価損を出してはいますが、これからさらに買い下がります。

東芝の回答(山崎注:このKさんが社長宛に送ったメールに対する回答。ここでの掲載は見合わせる)を見ても、まだ経理部門の独立制を保った改革にはなっていないと思います。

経理担当の係長以上に関しては人事権を本社の経理本部が握り、3年ごとの定期異動をして不正の芽を潰すことが必要です。また、経理本部に監査部を設置して、定期的に監査をする制度を作るべきです。

これがないと不正が再発します。このような細かいことが実務ノウハウなのです。理論だけでは仕事はできません…。

基本的に、経理処理を操作することは、ビジネスのルールを社長の都合の良いようにその都度替えることですから、ビジネスの存在自体がなくなります。

また現在の損害賠償は過小すぎますから、元社長を始めとする関係者に東芝のすべての損害賠償を請求し、生活できないようにするのが社会のルールと思います。一罰百戒をせよとね…現状のような甘い処罰では必ず再発します。

松下電器でも2年間で1兆6000億円も出して立ち直ったのですから、人材の豊富な東芝は必ず立ち直るとは信じております――

いかがだろうか。前ページで筆者は「現場技術部門の問題ではなく、本社の事務上の問題、経理・総務の統治問題」という意味で、株価的な側面からオリンパスと西武鉄道を引例した。

その点、こちらのKさんは(筆者が西室泰三さんに触れた箇所のように)「人材の豊富な東芝」としての側面を重視しておられるようである。

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