本紙では昨年7月28日、東京五輪に必須の「サブトラック」建設が間に合わない可能性について報じた。開催を1年半後に控えた今、なんと未だ工事未着工だという。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)
※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2019年2月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。
関係者は間に合わなくてもいいと思っている?工事が進まないワケ
工事予定の看板すら立っていない
本紙では昨年7月28日、「東京五輪の足を引っ張る利権の闇。大手メディアが報じないサブトラック問題」というタイトル記事を報じている。
それからさらに半年が経過。東京五輪までは残すところ、さらに1年半まで迫った。
だが、本紙は1月30日、そのサブトラック建設予定地(仮設)である明治神宮外苑の軟式野球場を見て来たが、未だ工事未着工どころか、とっくに入札が終わっているのに工事予定を示す看板さえ立っていなかった。
前回記事で予定として指摘しておいたが、昨年9月28日、この陸上競技会に必須のサブトラックの工事も含まれているという「仮設オーバーレイ整備業務」の入札は行われているのにだ。
もう間に合わないのに、なぜ大手メディアは報じない?
何しろ、サブトラックが規定にあっているかどうかの事前検査など考慮すれば、開催1年前には完成してないといけないとの関係者の指摘もあるのだ。
それならもう半年しか猶予はないが、先の関係者はこの手の工事には8カ月は要するとも。
では、間に合わないではないか。むろん、サブトラックがなければ実質オリンピックは開催できない。それだけの問題なのに、このサブトラックの件を大手マスコミが取り上げないのもおかしな話だ。
しかも、「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」のホームページを覗くと、この入札結果が出たのはこの2月1日。
なぜ、こんなに発表までに時間がかかったのか?他の発表では入札から10日ほど、また契約金額を明らかにしているケースもあるが、こちらの場合は金額も公表していない。
そして、明らかにされた契約者(落札者)は建設会社ではなく、意外とも思える電通100%のイベント専業子会社「電通ライブ」(ただし各種建設業の許可などは取っている)。
そんな状況のなか、ところが、「たとえ工事が間に合わなくても心配には及ばない」との声も。いったい、どういうことなのか?