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もう東京五輪に間に合わない。大手メディアが報じないサブトラック建設未着工と利権の闇=山岡俊介

新国立競技場、「球技専用」のルールは白紙になる?

前回記事でも述べたことだが、東京五輪の会場となる神宮外苑地区周辺は、同地の最大地権者としての(宗)明治神宮、そしてサッカー、ラグビー、陸上競技関係者などが、五輪後の利用も含めて、水面下では利権争いをしている。

こうしたなか、少なくとも現状では、以下のような方向性が有力になって来ているというのだ。

そして、その争いにおいて、本紙の昨年7月28日の記事以降の出来事として、昨年9月、今年開催されるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の名誉総裁に、秋篠宮様が就任したことが大きいという。

神宮外苑にはわが国ラグビーの聖地・秩父宮ラグビー場がある。だが、老朽化が目立つなか、20年代後半までに、同じく神宮外苑内にある神宮第二球場を解体しその跡地に新たなラグビー場を建設するとの報道もある。しかし、新国立競技場を東京五輪後、サッカーなどの「球技専用」とすることが決まるなか、同じ球技のラグビー場建設は“二重投資”だとしてラグビー場新設に反対する声もある。

だが、「秋篠宮様総裁就任で、これまでの秩父宮様の貢献も含め、実質、ラグビー球場=皇室案件となり、ラグビー場廃止はなくなった」(事情通)というわけだ。

そうすると、なおさら新国立競技場を「球技専用」とすることは批判を招く

「サッカーの聖地・英国ウェンブリー・スタジアムさえランニングコストに苦しんで米国人実業家に売却話が出るほど(中止に)。まして、6万8,000人収用(東京五輪では8万人規模)の新国立競技場では、ハコが出来過ぎて球技専用では大赤字必至。それなら、陸上競技の聖地としていままで通り残すのがいい」ということで白紙撤回になる可能性が高いとの見方が出て来ている。

「なぜサブトラック建設が進まないのか?」の答え

その1つの根拠となるというのが、渋谷区長が昨年11月1日、「NIKKEI STYLE」のインタビューを受け、代々木公園に3万人規模のサッカー場建設構想を言い出したことだ。

そして、その建設地として代々木公園のなかでも陸上競技場のある織田フィールドや、その隣のサッカー・ホッケー場を挙げている。

「なぜ、もう時間がないのに軟式野球場でのサブトラック建設が進まないのか? 実はいざとなったら、代々木公園の織田フィールドを使えばいいというのです。既存の陸上競技場を改修するだけなので、いまから着工でも十分間に合う」(別の事情通)

区長のサッカー場建設構想は五輪後のことだから問題ない。

「秩父宮ラグビー場の解体後、代わりに神宮第二球場を解体して跡地に新設する案があるが、そもそも神宮第二球場の面積ではラグビー場建設には足りない。ですから、織田フィールドの機能をこの第二球場に移し、ここをサブトラックの常設場とする。代わりに、ラグビー場は現在の神宮球場跡地に建設。そして、いまの神宮球場は、秩父宮ラグビー場跡地と同じく、明治神宮所有の外苑青山駐車場、外苑テニスコートの一部を併せれば4.6ヘクタールになり、甲子園球場が3.8ヘクタールですから、そこに新神宮球場を建設すれば、すべてが丸く収まるというわけです」(同)

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