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「なんでアイツが?」春に吹き荒れる“嫉妬”と“マウンティング”の嵐から身を護る方法=午堂登紀雄

なぜビル・ゲイツではなく、同僚に嫉妬するのか

たとえばビル・ゲイツ氏マークザッカーバーグ氏に激しく嫉妬するというビジネスマンは多くないと思います。あるいは自分が平社員で、あまり話したことのない部長が専務に昇進したからといって、心がざわざわすることはないでしょう。

「なんであの人が?」という疑問を抱いたとしても、「くやしい」とか「調子に乗りやがって」などとは思わないはずです。

それは、最初から自分よりも優位性を持っていて、さらにその距離が遠いからです。

逆に距離感が近く、自分よりも格下だと思っていた人が自分よりも優位に立ったときに嫉妬の感情が起こります

たとえば、自分より格下だと思っていた同期や後輩が自分を抜いて昇進したら?部活やスポーツでも、3年生の自分より1年生のルーキーがレギュラー入りして活躍したら、やはり歯ぎしりしたくなるし、そういう経験をした人もいるのではないでしょうか。

女性でも、スーパーモデルや故キャサリン妃に憧れたとしても、嫉妬するということはないと思います。しかし、会社の後輩の女性が男性社員からちやほやされたら?芸能界でも、女性アイドルグループに若くてきれいな新人が入ってきて人気をさらったら、他のメンバーは心穏やかではないでしょう。

手が届かない相手にはあこがれやうらやましさを感じ、自分より下や同等、あるいはちょっと手を伸ばせば届きそうな人には嫉妬するわけです。

自分の関心のある分野で「嫉妬」は起こる

また、年下や格下と思っている相手であっても、自分の興味関心がない分野では嫉妬は起きにくいと言えます。

たとえば会社の後輩がボディビル大会で優勝したとしても、自分がまったく興味がなければ、「すごいな、お前」と手放しで称賛できるでしょう。車にまったく興味がなければ、友人がフェラーリを買ったところで「よくそんな無駄遣いするなあ」くらいに感じるくらいかもしれません。

しかし自分が興味があれば、「何よ、あの人!」「女のくせに!」「若造のくせに!」などとなるわけです。

また、本人の努力や実力とは関係ないことも、嫉妬にはなりにくいものです。たとえば知人が宝くじに当たった、という話を聞いても「いいなあ〜」「ちょっとぐらいおごれよ」くらいで、「引きずりおろしてやる」「意地悪をしてやる」という方向には向かわないでしょう。

これは「能力の差ではない」ことから優位性の問題ではなくなり、自分の自尊心が傷つかないからです。

しかし、同僚が起業して成功した、などという話を聞くと、努力や能力の差であるわけですが、それを認めると自分のプライドが傷つくので、「たまたま運が良かっただけだろ」「すぐダメになるさ」などという反応になるのです。

たまに、自分よりも優れた人・恵まれた人を見たら誰彼関係なく嫉妬する人がいますが、こういう人がネット上で炎上を起こします。対象はだれでもよく、ただ自分の満たされないうっ憤を晴らしたいだけだからです。

Next: 最近よく目にする「マウンティング」も嫉妬の一種

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