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どう見るECB追加緩和~「ドラギショック」で緩和依存度後退も=久保田博幸

金融政策の正常化に向かうFRBと、ECB・日銀の違い

しかし、米国では金融政策を非常時から平時の政策に戻そうとの動きをはじめ、市場の過度な動揺を抑えるために時間を掛けて、テーパリングと呼ばれる量的緩和の縮小を成功させ、今度は利上げを行うことで金融政策を正常化させようとしている。

これはFRBが市場との対話をうまくこなした面もあるが、雇用情勢の好転などで、正常化に向き合える情勢となったことも背景にある。

ところがECBと日銀は正常化どころか、異次元というよりも平時にとっては異常ともいえる過度な金融緩和政策を継続させている。今回のECBの追加緩和の踏み込み不足の要因としては、ドイツやオランダ、ラトビア、リトアニアなどの反対派に配慮したとの見方もあるが、その反対派はそもそも追加緩和をする理由が見当たらないとしていた。

日銀はある意味正しかった?「マジック」からの脱却

今回のECBの追加緩和に対する市場の反応は、過度な金融緩和への依存、つまりマジックや魔法の世界から脱却する必要性を感じさせる。

中央銀行の金融緩和は直接、物価や景気に影響を与えるものではないことは、異次元緩和から2年以上経過した日銀が証明したような格好となっている。これに市場も薄々気がついているはずである。

今回のECBの政策に対する反応、さらには米国の金融政策の正常化により、市場の金融政策に対する見方に変化が生じる可能性がある。

その意味では期待されても動かなかった(動けなかった)日銀はある意味正解であったのかもしれない。

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牛さん熊さんの本日の債券』2015年12月4日号より
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