買うべきタイミングは、悲観が市場を覆い尽くす時
私は大和ハウスを優良銘柄の一つとして捉えています。しかし、優良銘柄だからと言って、いつ買っても儲けられるというものではありません。
特に、同社のような大型株だと、多くの投資家から見て「適正」とされる株価が付きます。今の大和ハウスの株価は、事件発覚によるリスクを適正に反映していると考えます。
しかし、株価はまれに適正価格から乖離することがあります。例えば、相場が急激に冷え込んだり、一時的な業績悪化に見舞われたときです。
これらのケースに共通していることは、市場が過度に悲観的になっているということです。
人々が悲観的になると、株は必要以上に売られます。その瞬間こそが、会社が持つ「価値」と「価格」に乖離が生じる時なのです。
賢明な投資家は、そのような時に買い付け、あとは株価が回復するのを待つだけなのです。優良企業を買っていれば、必ず株価は戻ってきますし、その後も価値を増加させ続けるのです。
大和ハウスに関して言えば、まだ過度に悲観的になっているとは言えないでしょう。PERの基準となる利益は「追い風参考」、不祥事の影響は見通せず、目の前の環境は決して明るくありません。
長期投資家が買うべき瞬間はそう多くありません。だからこそ、普段から優良銘柄に目をつけておき、数少ないチャンスで動くことが必要なのです。
よく分析し、下がったら買って、あとはひたすら待つ。これができれば、あなたも熟練の長期投資家になることができるでしょう。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年4月21日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。