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大和ハウスまでも不適切設計2000棟…「手抜き」が蔓延する建築業界の闇を払拭できるか?=栫井駿介

PER8倍も割安じゃない?建設業界に立ちはだかる「向かい風」

それでは、この株価下落は長期的に見た「買い場」なのでしょうか

問題がどこまで拡大するかはわかりません。新たな問題や損失が発覚すれば更に下がるでしょうし、これで出尽くしとなれば大きく反発する可能性もあります。

よほど内部事情に通じていなければ、この短期の動きに賭けることは危険でしょう。長期投資家が見るのは、もっと先の、中長期的な見通しです。

ここ数年はアパートや大型建設需要の増加により業績を拡大してきました。2019年3月期決算で8期連続の最高益となる見通しです。過去の業績に死角はないように見えます。

※2019年3月期は会社予想

※2019年3月期は会社予想

ただし、最近の業績は「追い風参考記録」と見るべきではないかと私は考えます。

金融緩和による銀行の融資姿勢緩和でアパート建設は拡大し、東京五輪前の建設ラッシュで建設需給は逼迫していました。全ての事業で空前絶後とも言える良好な環境が整っていたのです。

同社自身も数度にわたって中期経営計画の目標値を引き上げていることから、想定以上の追い風が吹いていたことがうかがえます。

この「追い風」が「向かい風」に変わったらどうなるでしょう。これまでのように、右肩上がりの成長が続くとも思えません。業績拡大が止まるばかりでなく、思わぬ損失に見舞われる可能性もあります

すでに追い風が向かい風に変わる兆候も見られます。

スルガ銀行等におけるずさんなアパート融資が問題視され、銀行は融資姿勢を厳格化しています。これまでのようにアパート建設が拡大するような状況は望めないでしょう。

大型施設建設への逆風もあります。「消費増税」と「東京五輪」の後です。

今年の10月には消費税が8%から10%に引き上げられる予定です。これまでの建設需要には、増税前の「駆け込み需要」が少なからず含まれているでしょう。そうなると、増税後は需要が急速に減速する可能性があります

また、東京五輪に向けた盛り上がりで膨れ上がっていた建設需要も、終わってしまえば寒風が吹くかもしれません。そうなれば、これまで建設業者側に有利だった契約条件が逆転してしまうでしょう

これらの不安を反映し、建設業界のPERは10倍を割り込む低水準にとどまっています。

大和ハウス<1925> 8.3倍
積水ハウス<1928> 8.7倍
大林組<1802> 7.9倍
清水建設<1803> 8.0倍
※Yahoo!ファイナンスより(2019年4月18日時点)

低いPERには、それだけの理由があります。単に数字が低いからと言って「割安」だと飛びついてはいけないのです。

Next: 買うべきタイミングは、悲観が市場を覆い尽くす時

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