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男前ザッカーバーグ「5兆円寄付」の仰天スキームと秘めたる志=冷泉彰彦

長期的かつノンプロフィットなFBの存在意義~プリシア夫人の想い

更に、プリシア夫人の想いというものもあると思います。

プリシラ・ザッカーバーグ(旧姓はチャン)という人は、マサチューセッツ州の生まれで、父母は広東系とベトナム系です。

ハーバードで夫と同窓であった彼女は、ハーバード卒業後は、UCサンフランシスコ医科大学院を修了し、研修医も終えている医師です。

今回母親になった彼女としては、医師の観点から、そして母親の観点からも将来の人類における「健康」の問題は大きなテーマになっているのだと思います。

この「健康」というキーワードに関しては、例えばFBのユーザー人口が高齢化していく中で、FBのサービスの中でも重要になってくる可能性がありますし、同じITの巨人企業であるアップルが、「医療・健康産業」という分野を中長期的な経営の柱として位置づけるような動きを見せている中で、FBとしては高い関心を払っているのだということもありそうです。

そして、教育にしても健康にしても、利益追求型のFB本体で取り組む部分だけでなく、純粋にNPOとして取り組むしかない長期的、そして正に「ノンプロフィット(非営利)」的なテーマであるわけで、巨大NPOを立ち上げて行くというのは、実際にFBという会社としては理に適っていると言えます。

いずれにしても、単なる慈善事業でもなければ、節税策でもない、もっとスケールの大きな取り組みとして、この「チャン・ザッカーバーグ・イニシアティブ」には注目していきたいと思います。

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冷泉彰彦のプリンストン通信』(2015年12月8日号)より一部抜粋
※記事タイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

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