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FRBの「無慈悲な利上げ」を市場が悟る時、悲劇的なマネー逆流は始まる

米FOMC(12/15-16)での利上げを目前に控え、調整色を強めてきた内外株価。しかしこれはまだ「悲劇的な調整」の入り口にすぎないかもしれません。「過去2ヶ月、過剰な期待で行き過ぎていた株価は、市場コンセンサスをはるかに上回るFRBの利上げ幅・ペースが明らかになることでリスクオフに向かう」とするのは、元ヘッジファンドマネージャーで資産運用アドバイザーの「E氏」です。(『元ヘッジファンドE氏の投資情報』)

3月以降、毎回30bps利上げも。想定外の利上げ幅・ペースに要警戒

9年半ぶりの利上げを控え、リスクオフは始まったばかり

米FOMC(12/15-16)での利上げ直前になって、ようやく世界のマーケットは10月からの楽観相場に終止符を打ち、リスクオフに向かい始めました。

きっかけは先々週のECB理事会で決定された追加緩和が物足りなかったからですが、FRBの年内利上げもECBの追加緩和の内容も、当局要人によって事前にアナウンスされていたにも関わらず、マーケットが勝手な期待で暴走していただけなので、オーバーシュートの反動が出始めただけです。

12/6(日)時点の日経平均見通しは以下のようなものでした。

  • リスクオン…19500~20100円(19800円)2割
  • リスクオフ…18500~19800円(19200円)8割
  • ※(参考)上海株暴落時(2500ポイント以下)orテロ拡大時…17500~19800円(18800円)

これに対し先週金曜(12/11)の終値は19230円だったので、ほぼ想定通りの展開です。このところ2週連続で大幅な下げが続いていますが、過去2ヶ月過剰な期待で行き過ぎていたので、悲劇的な調整は始まったばかりです。

先週の米国株は、利上げが迫る中で原油安や商品安を嫌気した動きも見られ、S&P500は週間で-3.79%と大幅な下げになりました。

こうした中で日本株もリスクオフ的な動きが広がったのですが、週末金曜にアヤ的な上げがあったことから、日経平均の週間の下げは-1.40%と先進国では最も軽微な下げに留まっています。

しかし、このところアヤの解消が本格化してきているので、先週金曜の上げの反動は今週になって出てくると思われます。

ECBの追加緩和に失望した欧州株は先週も大幅な下げになっていますが、原油安や利上げを嫌い米株の下げも本格化してきました。そんな中で下げが軽微な日本株は、世界で懸念されていることを十分消化していないのでかなり能天気だと言えます。

すでに「脳天気」の根拠は消え去っている

元々、9月利上げを懸念したリスクオフで下げていた世界のマーケットが能天気になるきっかけは、10月初旬に発表された雇用統計が弱かったので、利上げは来年3月以降になるだろうとマーケットが勝手に決め付けたことでした。しかし、利上げはマーケットの期待通りに遅延せず、FRB関係者が従来から言ってきた年内利上げになることが確実なのですから、10月以降の上げは全て帳消しになってもおかしくありません。

なので、先進国株式は急速に9月水準に近づいているのですが、日本株だけが起きていることの認識が足りないような下げになっています。

1年パフォーマンスでみても日本株は先進国最高のパフォーマンスです。

基本的に1年パフォーマンスのような長めのパフォーマンスで見ると、日欧のようにマネー増加の裏づけのある地域の株式市場が強く、引き締め懸念のある地域の株式市場が冴えないパフォーマンスになっていますが、日本はこれ以上の追加緩和が当面なさそうなのに、追加緩和がまだありそうな欧州以上のパフォーマンスになっているのです。

日本株のこの妙な値持ちの良さは8月に世界を襲ったリスクオフ前にもありましたが、その反動で8月は先進国でも独歩の下げになったのです。

今月は欧州債務危機やリーマンショック以来の「最大に危険な月」

一方の新興国市場は10月からのリバウンドの持続性は弱く、リーマンショック以来となる商品・エネルギー市況安につられ、再度8月の安値に到達しました。

商品市況は既に8月安値を下回ってきているので、新興国のリスクオフは更に拍車が掛かるものと思われます。

このように危険な兆しが増え、ショックを誘導するトリガーが増えてきていることから、先進国株式市場もリスクオフ的な動きが加速していくと思われますし、値持ちが良かった日本株は独歩の値幅で下げる可能性も高まっています。

結局、11月のリバウンド、特にパリ同時多発テロ以降の上げは完全にチキンレースとなりました。ロングに変えたものの、ショートに戻しきれずに留まっている投資家が多いため、FOMCの利上げ以降もポジション変更による売り圧力が続くものと思われます。

今月は欧州債務危機やリーマンショック以来となる最大に危険な月になるでしょう。

Next: ついに始まる悲劇的なマネー逆流、12月FOMCは歴史の転換点

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