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FRBの「無慈悲な利上げ」を市場が悟る時、悲劇的なマネー逆流は始まる

リスクオフのシナリオ(2)著しく乖離した当局と市場の認識が修正される

今の株式市場は中央銀行のマネーの方向性がどうなるかという見方で動いているといっても差し支えないですが、今回のように「市場の見方と中央銀行の真意との認識ギャップが時に大幅に乖離してしまう」ことがあり、こういった認識ギャップがあまりにも大きくなるとブラックマンデーなどの暴落に繋がってしまうのです。

今回のアヤが数ヶ月にわたり長大になったのは、リーマンショック以降のマネーの大量供給で、いまだかつてないくらいに中央銀行の影響力が大きくなっているのに、中央銀行の情報発信力が応え切れていないのと、市場参加者の咀嚼能力も十分でないためでしょう。

ということは、今週開催のFOMCで利上げが決定された場合も、マーケットと中央銀行の認識ギャップが今から修正される可能性があるという事です。

先ほどのFRBの項目で書きましたが、依然として100%の参加者が今月利上げを想定していないことと、金利先物から推定される来年末のFFレートから計算すると、マーケットは今回の利上げを20bps程度で見ているのに対し、FOMCのドットチャートから逆算すると25~30bpsになるため、利上げ幅がマーケットコンセンサス以上の場合は、FOMCでの利上げ決定をきっかけに更に株価が下がる可能性があります。

一方で今回の利上げが20bps程度の場合は、以降の利上げも緩慢という見方から悪材料出尽くし的に買われる可能性もあります。

しかし、この場合でも、現行のハト派主体のメンバー構成でも利上げ回数が市場予想と大きく乖離しているのに、来年からはタカ派主体のメンバー構成になるため、市場の見方がFOMCの見方に収斂していくに連れて、リスクオンの度合いに拍車が掛かる可能性が高いです。つまり、初回利上げが軽微として上がった場合は、それはアヤであって持続性はあまりないと思われます。

一方、ECBはドラギECB総裁の発言の信頼性に対する疑問符が付き始めてしまったので、ECB発のマネーは当面は増額無しという見方に落ち着くと思われます。

最後の日銀の追加緩和観測は基本は消失しましたが、黒田日銀総裁はマーケットのかく乱を目的とした情報操作をするので、今週の日銀政策決定会合で追加緩和がなされるリスクは皆無とはいえません。しかし、今回の日銀政策決定会合でノーアクションの場合は、賃上げの効果が見える来年5月以降まで追加緩和の可能性は低いと思われますので、今週の日銀政策決定会合を過ぎると、日銀発のマネー増額の可能性もなくなります。

この2週間で調整したとはいえ、現時点のマーケットは、依然として10月以降のマネー増大期待で上がった分を帳消しにしていません。従って、今も中央銀行のアクションに対し過剰に楽観的な見方で市場価格が形成されているため、今後日米欧中央銀行の真意にマーケット見通しが近づくだけでも、(マネー引き締めとなる)リスクオフ的な動きになり易いでしょう。

特に、FOMCの見方とマーケットの見方は著しく乖離が見られるので、利上げ決定後に、次回利上げや来年末のFFレート水準に対し、マーケットがきちんと読み込むようになれば、それだけでリスクオフに拍車は掛かるでしょう。これは次回利上げまで待つまでもなく、あと1ヶ月程度でマーケットの見方はFOMCの見方に近づいていくと思われますので、来年1月までは中央銀行発のリスクオフが加速し易いといえます。

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