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FRBの「無慈悲な利上げ」を市場が悟る時、悲劇的なマネー逆流は始まる

欧州ECB金融政策のポイント「ドラギ総裁以外は緩和に消極的」

先々週のECB理事会での追加緩和は、懸念したとおりにマーケットにとってのネガティブサプライズになりました。ECB発のニュースを丹念に拾って客観的に判断していけば今回の決定は予測可能でしたが、マーケットは完全に妄想の暴走をしていました。勿論、それもこれも、「あらゆる手段を検討する」と期待を煽ったドラギECB総裁が悪いのです。

ECBの追加緩和後も「ECBの行動に限界はありえない」と更なる追加緩和を示唆するような発言をしましたが、他の理事はもっと冷めた表現をしています。

また、追加緩和に肯定的なクーレ専務理事は、更なる追加緩和の可能性は認めましたが、現行でその懸念は無いという見方をしています。

必要ならば追加緩和は可能だけど、デフレのリスクは弱まったと言っているので、言い換えると早期緩和は必要ないという見方です。

結局、ドラギECB総裁以外で積極的な人はほとんど居ないのです。このため、ドラギECB総裁が更なる追加緩和を示唆する発言をしても、信頼性が薄らいでいくと思われます。ドラギECB総裁が嘘を付いているのではなく、ドラギECB総裁の願望ほど他の理事は追加緩和に肯定的ではないので、ECB全体の平均意見ではないとマーケットが気づきだしたら、ドラギECB総裁がリップサービスをしてもマーケットは反応しなくなるでしょう。

先々週のECB理事会で、マーケットは騙されたという認識を持ってしまったので、次の追加緩和が期待できるものになるとマーケットが考えるには、実際そうならないと無理です。

従って、ECB発のマネーの方向性は、過去2ヶ月で過剰流動性相場を期待した反動が続くために、楽観的だったコンセンサスがECBの平均意見に収斂する過程で引き締めサイドになるでしょう。

今週もドラギECB総裁の発言が予定されていますが、マーケットはあまり重要視しないと思います。敢えて注目するとしたら、「更なる追加緩和を期待させる発言をした際にマーケットがどう反応するか」です。

全く好感しなくなったら、信頼関係は崩れたので、実際に追加緩和があるまでECB発の追加緩和期待は醸成されにくいでしょう。

日銀金融政策のポイント「サプライズ緩和の可能性わずかに」

結局、日銀は11月も追加緩和を行いませんでした。それどころか、引け後の会見では、追加緩和に対しての議論がされた形跡もありません。このため、マーケットも追加緩和を予想する人が急速に消えました。

今週、日銀政策決定会合がありますが、黒田日銀総裁が嘘を付かない限り、ノーアクションだと思います。

仮に黒田日銀総裁が追加緩和を考えて居ても、これ以上の緩和に否定的な委員が3名いることや、日銀幹部も来春以降の賃上げ状況を見る必要があると言っている以上は、現時点での追加緩和は否決される可能性も高いです。

従って、99%以上の確率でノーアクションですが、昨年突如の追加緩和がFRBの量的緩和終了と同時でなされたことを考えると、FRBの利上げと同タイミングで世界のリスクオフを防ごうというアクションを企てないとも限りません。

通常、日銀の金融政策で他の中央銀行の政策は考慮しませんが、昨年のタイミングが偶然にしてはあまりにも揃っているので、リスクファクターとしての追加緩和を念頭に入れておく必要があるかもしれません。

即ち、米国利上げが決定されても日銀政策決定会合の結果を見るまでは世界の過剰流動性相場が終了したかどうかの確証は持てないという事です。

今回ECBが失ったような投資家との信頼関係を黒田日銀総裁は昨年の追加緩和時に失ったままなので、マーケットが期待していない今は、だからといって油断するのは危険かと思っています。

以上を整理すると、今週の中央銀行がらみでは、FOMCでの利上げ幅と次回利上げに関する示唆がされるかどうかが最大に重要ですが、日銀のサプライズに備える必要も多少はあると思います。

Next: リスクオフのシナリオ(1)米国発のマネー逆流

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