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サウジによる「ニムル師の処刑」は原油底打ちのための出来レースか?=藤井まり子

今度こそ原油価格は安定?財政破綻説まで囁かれるサウジの台所事情

イランでパーレビ国王がイラン革命で国外追放されて以来の1980年から、「サウジ王政も、それほど長持ちしないのではないのか?」といった素朴な疑問は、中東の専門家の間で周期的に浮上していました。

が、その後、サウジは「巨大なバラマキ」で、国内の不満分子をどんどん骨抜き・飼い殺ししてゆきます。

ところが、ところが、2015年に入るや否や、そのサウジ王家では強硬な対外姿勢が目立つようになります。財政難で血の気の多くなったサウジ王家は、混迷するイエメン内戦やシリア内戦に進んで関与、「中東の覇権を狙うイラン」の増長を許さない構えを鮮明にしてゆきます。

「中東の春」以来の「国内のシーア派の不満分子の高まり」を受けて、サウジアラビアも国内過激派の活動を封じ込めようと必死なのです。

このサウジアラビア、2016年の今では、ブラジルと並んで「財政破綻」が懸念されている国家になり下がっています。

原油安で財政事情が厳しいサウジは、2016年予算でおよそ10兆円相当の財政赤字を見込みんでいます。それでも、サウジは補助金削減に着手。ガソリンや電気料金を一斉に値上げしています。大盤振る舞いの「バラマキ」で国内の不満分子を骨抜きにする手法が、いよいよ壁にぶち当たってきているのです。

余裕のなくなっているサウジ王家は、かつての注意深い外交方針から、衝動的な介入政策へと舵を切り替えているます。この王家の中枢で鍵を握っているのは、衝動的な性格のム
ハンマド副皇太子(30)。もちろん、この王家とて一枚岩ではありません。衝動的なムハンマド副皇太子には敵も多いです。今のサウジアラビア王家には常時「軍事クーデターのリスク」が付きまとっています。

内憂外患に直面する「巨大王家サウジのカントリーリスク」の高まりは、ストレートに「サウジアラビアvs.イラン」の「対立の構図」を深め、そのまま「地政学的リスク」の高まりに直結、2016年の原油価格に行方にも大きな影響を与えそうです。

今度こそ、原油価格は安定するかもしれません!

1月4日の原油先物市場は、「中国リスク」の高まりを受けても、たいして下落しませんでした。

2015年の原油価格はこういった「地政学的リスク」にまったく反応することなく大幅続落を続けました。

2016年、原油をはじめとする資源コモディティー価格は、こういった「地政学的リスク」を正当に反映し始めて、そろそろ価格が安定し始めるかもしれません。

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藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2016年1月5日号より一部抜粋、再構成

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