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日韓関係悪化、トランプは「韓国が悪い」と判断。文在寅に3つの改善要求へ=勝又壽良

日本が持つ「外交的保護権」

こういう経緯があるので、韓国政府は「大法院判決に関与できない」という理由で、日本政府の対話提案に応じずに放置しています。文氏の「親中朝・反日米」路線が生み出した判断です。

しかし、トランプ大統領が米韓首脳会談で正式議題にしたことは、韓国の非を前提にしています。文大統領が、トランプ大統領の要請を断って、日韓関係改善に動かない場合はどうなるでしょう。

それは、日本が国際的に認められている「外交的保護権」の発動を行う道が開けることです。

外交的保護権とは、次のような内容です。日韓に限定して説明します。

「日本の国籍を有する私人が、韓国の国際違法行為によって損害を受けた場合に、日本国が国際違法行為を行った韓国に対して国家責任を追及する国際法上の権限である」

日本企業は、日韓基本条約を覆した国際違法行為によって、韓国から損害を受ければ、日本政府が韓国に対して国家責任を追及できる権限を持つというのです。

日本から「外交的保護権」が発動されるとどうなるでしょうか。

日本の反撃で崩れ去る韓国

韓国の元国立外交院長で現在は、韓国外国語大学碩座(せきざ)教授の尹徳敏(ユン・ドクミン)氏は、次のように指摘しています。要旨をまとめます(『朝鮮日報』6月9日付「米中日の報復におびえる韓国」と題する寄稿の引用です)。

(1)韓国の旧徴用工被害者たちは、法的手続きを踏んで韓国国内にある日本企業の資産を差し押さえて売却する。

(2)日本政府は外交的保護権を発動して報復に出る。その場合、日本の製品・半製品・部品に依存する韓国主力製品である有機発光ダイオード(OLED)、スマートフォン、半導体生産のすべてが「まひ」する。また、金融措置により韓国の信頼度が下がり、韓国経済に大きな打撃を与える可能性がある。

これまで、外交的保護権の問題はあまり注目されませんでした。「報復」というイメージで捉えられてきたからです。しかし、「外交的保護権」という立派な国際法の規定があれば、堂々と活用するしかありません。

韓国大法院が、あえて現代意識の「人権」という言葉で、70年以上前の問題を裁けるかという基本的な疑問もあります。罪刑法定主義に基づき、その時に存在した法律で裁くのが原則です。後から生まれた「人権意識」で裁けません。しかも、日韓基本条約を否定した判決である以上、日本は胸を張って「外交的保護権」に基づいて対抗すべきでしょう。

Next: 日韓の法的紛争は、長い目でみれば両国関係の正常化につながる

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