すでに金利は上昇
香港の金利はすでに上昇しており、世界一高いとも言われてきた不動産市場が一気に瓦解する可能性もあります。
さらにドルペッグ制を敷いてきた香港ドルも、もはや下値に張り付いた状態で、当局が為替介入を2015年1月のスイス中銀のようにギブアップした場合にはペッグ制が壊れて、相場が暴落するリスクも高まります。
こうなると、人民元にも当然、影響が出ることになります。
為替相場は全く予期していなかった香港情勢から大混乱に引きずりこまれることになりかねず、思わぬブラックスワンとしてリスクが顕在化してきています。
そもそも香港ドルの発行権自体を中国政府にはく奪されることになれば、相場への影響はかなり大きなものになります。
いきなりそこまで話がエスカレートすることはないとは言うものの、アルゴリズムの過剰反応で想像を超えたリスクオフ相場が示現することにも注意が必要になります。
習近平は本当にG20に来日するのか?
米国との貿易をはじめとする構造問題に解決の目途が立たない中で、香港が問題にならないように、早期に一国二制度を修正して一国優先路線を実現したいと習近平も判断したのでしょう。
しかし、これが思わぬ市民の抵抗を受けて、世界的な問題として可視化されてしまったことで、この問題にトランプがどのように介入してくるのかについても注目が集まります。
米中の首脳会談については、米国側が実施の予定を公表しているにも関わらず、中国政府はなんらコンファームするコメントを出していません。
そこら中で火を噴く問題の中で、習近平が何食わぬ顔でG20に本当に出席するのかどうかにも関心が集まりそうです。