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買い場はいつ?「危機の総仕上げ」としてのイエレン・利上げショック=藤井まり子

バブル崩壊ではないが、人民元は1ドル6.7~7.0元まで切り下がる必要性

さて、話を元に戻しましょう。

こういった「中国経済への不透明感」がぬぐい切れない限り、内外のマーケットの混乱はまだまだ続くのではないでしょうか?

具体的には、中国人民元が、1ドル6.7~7.0元あたりまで(?)切り下がらないと、グローバルなマーケットは、「中国発デフレリスク」に対しては、なかなか安心できないのではないでしょうか?

さらに、今年2016年1-3月期の決算期に、資源&素材関連の大手メジャーから「大型M&A」が続々と発表されるのではないでしょうか?

今年4月には、アメリカ国内の弱小のシェール企業が発行したジャンクボンド(ボロ債券、ハイイールド債)が大量に償還を迎えます。この頃、アメリカ国内の経営基盤の弱いシェール企業が続々と淘汰されることでしょう。

さて、「中国の実体がはっきりつかめない」ことを「ネタ」に、今現在の資源コモディティー市場も、内外の株式市場も、実体経済をあまり反映しないまま、多分に「マネーゲーム化」しているところが強いです。

ですから、日本国内のマーケット関係者の間には、思ったほどには「悲壮感」はありません。

実体経済が悪化していて株価が続落しているのならば、深刻な「悲壮感」が漂うのですが、そうではないのです。「実体経済がまぁまぁ良くなっている(日本経済が、およそ年率
にして実質1%くらいのGDP成長はしている)」中で株価の続落ですから、まだまだ、どこかしら「楽観的なもの」が漂っているんです。

アメリカ経済も2%台半ばの実質GDP成長を継続していますし、ユーロ圏も1%台半ばの成長を継続しています。世界経済は下方修正されているとはいえ、2016年には成長率を加速しそうです。

個人投資家の方におかれましても、年初からここまで株価が急落すると、初心者や初級者の方ほど、「辛い」でしょうし、びっくりなさると思います。いや、今回ほどの「大きな調整」だと、10年選手の中級者でも、げんなりしてしまうかもしれません。

けれども、「株式投資は楽あれば苦あり」です。「良いときもあれば悪い時もある。」「良い事も長くは続きませんが、悪いことも長くは続かない」のが、株式投資なのです。

これは、「バブル崩壊」ではありません。「次への上昇」に向けて、「この際だからとことん下げてから、上げに向かおう」とする「マネーゲーム」の域を出ていません。

「今回の調整局面」では、愛読者の皆さまの間では、「2015年の春から夏にかけて10%~15%くらいのリバランスができていたかどうか?」で、明暗が分かれています。

すなわち、昨年の春夏の「マーケットがウハウハとイケイケになっているとき」に、ちゃんと「次への調整」に備えて、一部利益確定できていたかどうかで、明暗が分かれているのです。

さらに、「30%くらいの一時的な評価損ならば平気」と思える範囲内で、すなわち、「ご自分のリスク許容度の範囲内で国際分散投資を行っていたかどうか?」でも、はっきりと明暗が分かれています。

つまり、「入り口部分の国際分散投資の基本動作」を守っていたかどうかで、明暗が分かれているのです。

もちろん、年初からの下げは誰だって苦しいです。

苦しいですが、今回の下げ相場をワクワクドキドキしながら、「買い増しの絶好のチャンス」と考えられる余裕があるかどうか、

その反対に、「二度と立ち直れないほど苦しい」と感じてしまったり、「バブルは崩壊していないのに、株式投資はもう懲り懲りだと、損切してでもよいから株式投資から完全撤退したくなるほど、深い痛手を負ったかどうか?」の「明暗」は、やはり、「基本動作」を守っていたかどうかで、大きく左右されています。

個人的には、「イエレン利上げショック」がここまで大きくなるのは、まさしく想定の範囲外。どこかしら、10%~15%程度の調整ですむかと思っていました。

昨年春夏の愛読者さまへの呼びかけは、「10%~15%のリバランス(次の調整局面に買い増すための、一時的な(?)利益確定)」ではなく、もっと多めの「15%~20%くらいのリバランス(次の調整局面に買い増すための、一時的な(?)利益確定)」にしておけばよかったと、クヨクヨしています。

そして何よりも、「イケイケの高値圏でのリバランスを呼びかける」と、クレームが多くなったり、購読を停止してしまう人がとても多くなるのが、個人的には驚きでした……。

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