2011年のリビア内戦で殺害されたカダフィ大佐は、143トンの金地金および銀地金を保有していましたが、内戦後どこに消えたかは分かっていません。これに関する興味深い情報が、昨年12月に米国務省が公開した「ヒラリー・クリントンの私用メール」内に含まれています。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
カダフィ大佐の金塊はどこに消え、いったい何に使われたのか?
公開されたヒラリーの私用メール
ヒラリー・クリントンが国務長官時代、私用メールアドレスで公務のメール交信をしていたという問題を記憶されておられると思います。その中に極秘情報も含まれており、それがヒラリーの大統領選挙立候補人気にも影響しています。
問題のヒラリーの私用メールを2015年12月に国務省が公開しましたが、その中に欧米による「金価格介入」と関連するかもしれない興味深い極秘情報が含まれていましたので紹介します。
極秘メモのポイント
(1)メール差出人:Sid B、この人物は夫のクリントン大統領の側近、外交顧問で、現在はヒラリー自身の顧問であるSid Blumenthalです。
(2)受取人:ヒラリー・クリントン
(3)情報公開、米国国務省、---省略---、公開日2015年12月31日
(4)タイトル:フランスの顧客及びカダフィ大佐の金塊
(※注:このフランスの顧客とは、恐らく本文に出てくるリビア国民評議会のメンバーや、特にAbdelfateh Younis大佐を示していると推定します)
(5)この情報が極秘であることを示しています。
(6)本文1頁目
1.リビア国民評議会で高位の人物が2011年のリビア反政府運動、内戦に関わっており、フランスは反乱軍側に関与。反乱軍側の高官のAbdelfateh Younis大佐(元カダフィ政権の内務大臣、陸軍幕僚長で後反乱軍に寝返った)はフランスに近い高官であり、フランスから金額は不明なれどカネを得るようである。
Younis大佐は、リビア国民評議会に対し、フランスが軍時顧問団をリビアに派遣し、武器を供与してくれる約束を得たと説明しているのだが、現時点(2011年4月2日)では未だ実現していない。
フランスは、この内戦には経済的な利益があると見ているようだ。サルコジ政権は複数回、映画制作者のベルナール=アンリ・レヴィを密使として派遣。リビア国民評議会側は、半分本気、半分冗談程度に受け取っているもよう。
2.リビア国民評議会の上層部では、カダフィ大佐は今週死亡したとの噂が流れている。
3.最新情報では、カダフィ大佐の資金源は底無しとも言えるほど非常に豊富であるとのこと。2011年4月2日、カダフィ大佐の次男(Salt al-Os;a, Qaddafi)の顧問たちに近い情報源(複数)が確信を持って語ったところによると、リビアの外国銀行口座の凍結がカダフィ大佐に深刻な影響を与えるものの、それくらいのことでは、カダフィ大佐の軍事力や諜報能力には全く損害を与えないということである。
カダフィ大佐は、現在も143トンの金地金および同程度の量の銀地金を保有しているそうである。
2011年3月下旬、これらの金塊、銀塊は、トリポリのリビア中央銀行の保管庫から持ち出され、ニジェールおよびチャドに近い国境付近の都市SABHAへ移送された。
これらの金地金は、現在起きている反乱以前に蓄積されてきたもので、リビア・ディナール金貨を発行してアフリカ通貨体制を構築する目的でカダフィ大佐が貯め込んできたものである。
アフリカの旧フランス領であった国々で流通しているフランスフランに代わる通貨としてカダフィ大佐が考えていた計画となる。
(※情報源コメント:この金塊および銀塊の量は価値にして7B$以上になる。フランス諜報局は、現在の反乱が勃発した直後にこのカダフィ大佐の計画を知り、これがフランス・サルコジ大統領のリビア攻撃決断の1つの要因になった)
サルコジ大統領の今後の計画の具体的な個別問題は下記の通りである。
a:リビア油田の権益の大部分を取得
b:北アフリカにおけるフランスの影響力の拡大
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