文在寅政権、ついに不支持が支持を上回る
現に、これまで文大統領を支持してきた中道派は、今回の法務長官候補のスキャンダルで嫌気が刺し、顕著な「支持離れ」を見せています。
韓国ギャラップ調査(8月27日発表)によると、今月20~22日実施した世論調査で、文大統領に対する中道層の国政遂行支持率は43%。直前の調査だった8月第2週(50%)より7%ポイントもの急落となりました。否定評価は同期間43%から50%へ7%ポイント上昇したのです。
20代と50代、地域では首都圏中道層の離脱が目立つと指摘されています。
20代は、生々しい受験競争の経験が生きています。50代は、受験生の子どもを持つ親の世代です。首都圏中道層が多いのは、大学入試が最も身近な世代が住んでいるので、今回のスキャンダルで敏感に反応したのは、合理的説明が可能です。
文政権発足当初と現在までの中道派支持率推移を比較しますと、中道層離脱で劇的な変化が起こっています。政権発足時には、多くの期待を寄せた「御祝儀」でした。それが、最低賃金の大幅引上げによる失業者増加で、期待感が薄れて昨年12月では 支持・不支持が拮抗しました。最近時の調査では不支持が支持を上回るという逆転が起こっています。
17年6月第1週 18年12月第3週 19年8月第4週
支持率:87% 40% 43%
不支持率: 5% 40% 52%
与党や野党を支持しない、無党派層の支持率変化は中道派よりも厳しく、次のような変化を見せています。
17年6月第1週 19年8月第4週
支持率:63% 18%
以上のような、中道派と無党派の文政権支持率変化から何がわかるでしょうか。
文政権は、今年5月で就任3年目を迎え、これまでの「期待値」が「現実値」に変わる時期という点を考慮するとしても、法務部長官候補のスキャンダルが、娘の不正入学から資産形成を含む広範囲であること。さらに、次期大統領候補と取り沙汰されてきた失望感も加わって、文政権の受けた打撃は大きなものがあるようです。
なぜ文在寅は歴史問題をほじくり返す?
文政権は、民族主義を鮮明にしています。南北統一を政治の最終目標にしていることからもわかるように、日韓問題は統一へ向けた国民意識をテコ入れする手段程度にしか見ていません。
その証拠に、繰り返し日韓併合時代の「歴史問題」をほじくり返しています。日本を危険な存在と敵視して南北が統一することで、この「危ない日本」と対抗するという意識です。
日本が、韓国への半導体製造3素材の輸出手続き強化を始めた7月以降、文大統領は感情にまかせて「日本対抗綱領」を喋ってしまいました。南北統一を足がかりにして、日本へ対抗する青写真を描いていることが明白になったのです。