コツは「絶対的に割安な銘柄を、相対的に安いタイミングで買う」
今のような状況の時に、慌てて上昇に着いていこうとする人は、大抵失敗してしまいます。株価は上がったり下がったりを繰り返しますから、上がったときにあえて買いに行く必要などないのです。
まして、今上がっている高PER銘柄が更に瞬間的に上がったタイミングで掴んでしまったらどうなるでしょう。
PERは、その数値が高くなればなるほど人の心理に左右されやすくなります。相場環境が良いときは上がりやすくもありますが、逆もまた然りで、相場下落時には大きく値下がりします。
人の心理は不思議なもので、上がっているときにはPERを無視して動きますが、下がりだすと急にPERが気になり出し、「割高だ!」と声高に叫ぶのです。
下落のスピードは急激ですから、そこで売ろうと思ってもなかなかうまくいかないものです。まして、普段から市場に張り付いているわけではない私たちならなおさらです。
私たちがすべきなのは、これとは全く逆の動きです。すなわち、成長性も含めて割安だと思われる銘柄に目をつけておき、それが瞬間的に下がったタイミングでこそ買うべきなのです。
これを私は「絶対的に割安な銘柄を、相対的に安いタイミングで買う」と言っています。
例えば、オリエンタルランドのような銘柄がPER20倍に下がり、なおかつ瞬間的な下落で5%下がったら、その時こそ買いなのです。
これを実践するためには、普段から良い銘柄をチェックし、しかし慌てて買わずに忍耐強く待ち、いざ下がったときに初めて買うことです。これを行うと、大きく買うタイミングはせいぜい年2~3回に限られます。
私自身も、この上昇を前にして「なぜあの時買えなかったのか」と焦る気持ちがないわけではありません。しかし、この「焦り」こそが投資における失敗のもとなのです。
急いで金持ちになる必要などありません。チャンスは一度逃しても、また必ずやってきます。原則を忠実に継続することこそが、着実に資産を増やす唯一の近道です。
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image by: Tony Wu Photography / Shutterstock.com
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年9月8日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。