韓国の文在寅大統領が新年に述べた「国民が去年よりももっと幸せな1年になるようにする」という言葉を取り上げたい。去年は幸せだったのか?そんなはずはない。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)
※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2020年1月5日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
50年に1度の経済危機も、韓国政府や文在寅大統領だけは楽観的?
韓国国民を去年よりももっと幸せにする
2020年、最初のメルマガの話題は何にしようかと、小一時間考えたところ、やはり、文在寅大統領の「経済展望」が良いのではないかという結論に至った。
そこで、まずは文在寅大統領が新年に述べた「国民が去年よりももっと幸せな1年になるようにする」という言葉を取り上げたい。
まず、韓国民が去年は「幸せ」だったのかという、最大の突っ込みどころがある。もちろん、幸せだったはずがない。
政治的な大失態
政治的には、チョ・グク前法相の問題で大混乱。
北朝鮮からは対話拒否。徴用工問題で日韓関係は最悪。さらに米韓関係も、GSOMIA破棄、在韓米軍駐在費などで急激に悪化。イランとの関係まで悪化。
……と、どこを取っても幸せなことなど何ひとつない状況だ。
経済状況は最悪に
経済的には、韓国経済を支えていた半導体の需要も減少、他の産業もほとんどマイナス成長に陥った。
唯一、自動車だけ輸出が増加したが、それも微々たるもの。
結局、全体では輸出は-10.3%と大幅に減少した。
2019年は最悪の年
政治・経済・外交と、いくつかの異なる視点から見ても、2019年の韓国はひどい状況であった。
それを文在寅大統領は、「幸せな1年」と述べたのだ。
しかも、それだけではない。文在寅大統領は1月3日に競技平沢・唐津港を拠点のエコカー輸出現場を訪問した席で、「今日、2030年の世界4大輸出大国に跳躍するための新しい10年を開始する」と宣言したのだ。
Next: ネット上では不人気?なぜか文在寅大統領と政府だけが楽観的…