ワーキング・プアから、失職プアへ
新型コロナウイルスの感染拡大と非正規の処遇改善が重なってしまったことが、裏目に出たことになりますが、非正規雇用の処遇改善は避けて通れないものです。
国税庁の民間給与の実態調査によれば、正規雇用の年収480万円に対して、非正規雇用は180万円にとどまっています。
これでは結婚して子供も持てない「ワーキング・プア」と言わざるを得ません。
この状態を打破するために、「同一労働・同一賃金」を掲げて非正規の処遇改善に出たのですが、これがコスト高となってかえって非正規雇用の失職リスクを高めてしまいました。だからと言って制度を逆戻りして「ワーキング・プア」を受け入れるわけにもいきません。
失職者には直接所得補填などの対処によって窮地を救い、そのうえで処遇改善の制度は維持したいものです。
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『マンさんの経済あらかると』(2020年4月3日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。