コロナ・ショックは金融市場を破壊していない
以前にも指摘したが、過去の世界恐慌、リーマン・ショック、日本のバブル崩壊と呼ばれたものは、金融システムに大きな問題があり、その金融機関そのものが自壊してしまったことで、いわゆる金融市場に大きなショックを与えた。
今回のいわゆるコロナ・ショックについては、金融システムには特に影響を与えることは少ないと思われ、金融不安を誘発する可能性は低い。
どちらかといえば、リーマン・ショックなどよりも、巨大地震などの自然災害に似ている。しかし、巨大地震は家や工場、さらに道路などのインフラを壊してしまうが、今回はそのようなことはなく、家も工場もインフラもそのままである。
つまりは新型コロナウイルスの脅威は存在するが、その脅威が徐々にでも後退してくれば、元の経済活動に復帰できるインフラはそのまま存在している。
もちろん新型コロナは我々の社会慣習や仕事のあり方、人との接し方など大きな変革をもたらすであろうことも確かである。
それはたぶん、良い意味で変化を遂げるのではないかとの期待もある。在宅ワークが増えると、少なくとも通勤時間分、人々の余裕時間も増える。
景気減退は人為的なもの
期待先行と言われながらも、ここにきての株価の戻りも理解できなくはない。
足下の景気は確かに歴史的な落ち込みとなっているが、これは人為的に行った結果でもある点に注意すべきかと思われる。
最も注意すべきは、この対策として、日本だけでなく海外でも大規模の経済政策が講じられ、その分の政府債務が大きく積み上がったことである。
その債務は我々の将来の税金が主な担保となるが、我々の生活が今回の政府の対策によって、膨大に政府債務を返済できるほど豊かになるという目星も当然ながらつけられない。
国債は日銀が買えば済む、で収まるわけがない、
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『牛さん熊さんの本日の債券』2020年6月5日号より
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