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「日経1万円割れ&1ドル最低でも87円」が十分あり得るこれだけの根拠=江守哲

円高基調は変わらず、将来的にドルは最低でも87円

それにしても円高基調が変わりません。市場関係者は、円安を望んでいますが、しばらく円安にはなりません。これは安倍政権がどう頑張っても無理でしょう。ドル円相場の方向性は米国が決めています(と私は思っています)ので、日本サイドの要因で円安に行くことはありません。

将来的に、ドル円は最低でも87円、最大で65円まで円高が進む可能性があると見ています。

「その根拠は何か?」と聞かれそうですが、相場は行く方向にしか行きません。現在のドル円はすでに円安トレンドが終わっています。円安トレンドは通常3年で終わります。2012年12月に始まった円安トレンドはすでに昨年末で終了しました。これも、セミナー等で以前から申し上げている通りです。

セミナーに参加された方や別のメルマガを購読されている方はご存知ですが、昨年12月のドル円の123.65円での売りは絶妙でしたね。最高のところでショートできました。このように、いろいろな角度から相場の行くべき方向を知っていれば、トレンドの重要な転換点で上手く対応することができます。このあたりは、このメルマガでも順次ご紹介していきたいと思います。

いずれにしても、円高基調が変わらないのですから、上記のように、日本株も厳しい局面が続くことになるでしょう。円高で株安、株が下げて円高、と言った具合に、それぞれがそれぞれを押し下げるような動きになるかもしれません。

世界の投資家は着実に金を買っている

今年に入ってからの金市場の堅調さには目を見張るものがあります。世界の投資家は着実に金を買っています。日本に居て、日本株しか見ていない投資家は気の毒ですが、グローバル投資家はしっかりと金を買っています。

2014年と15年に金上場投資信託(ETF)から資金が大量に流出しました。しかし、今年に入ってから、この流出した資金以上に金ETFに資金が流入しています。これらの事実から、「今年は金融危機が起き、株価が大きく下げるリスクがある」と考えているグローバル投資家の行動が見えてきます。

現在は「マイナス金利」です。「金には金利が付かない」として、普段は金を敬遠する投資家も少なくありません。しかし、いまは金利が付かない金がむしろ有利な時代です。

過去にも現在と同じような金投資が優位な時期がありました。1995年から2005年、2008年です。前者では金価格は4倍に上昇、後者では2倍以上になりました。そして、今回が3回目の金投資に優位な時期なのです。今はまさに金投資にうってつけの時期なのです。

また、実質金利から見ても、金はきわめて割安な状態にあります。低金利な中、インフレ率が少しでも上昇すれば、それは金相場に有利に働きます。賢明なグローバル投資家は、この点にも着目していると考えられます。長期金利は上昇しませんし、インフレ率は原油価格の下落に歯止めが掛かることで徐々に回復します。実質金利は自動的に低下し、金投資に有利に働きます。セオリーに素直についていくことが、いまの市場環境では重要といえそうです。

セミナーで投資家のお話を聞く機会が多いのですが、原油ETFなどに投資をしている投資家が非常に多いですね。しかし、長期的には私は金が有利と見ています。原油も上がるかもしれませんが、いまはマイナス金利によるメリットを確実に取っておくべき局面であると考えています。

原油は上がり始めてから買うほうがリスクも少なく、心理的な負担も少ないと思います。原油は一旦調整しそうです。40ドル以上の高値で買いついた投資家が増えてしまったので、一度は調整して、これらの買い持ちが解消されないと上昇しないでしょう。

Next: 今週の「ポジショントーク」~金と資源国通貨を買いました

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