英国のEU離脱がトリガーではありましたが、ドル円はやはりどうやっても円高にしかならないようです。たとえ麻生財務相が円売り介入をしても円安基調にすることはできません。(江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて)
本記事は『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』2016年6月27日号の一部抜粋です。興味のある方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文も手続き後にすぐ読めます。
プロフィール:江守 哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。
たとえ為替介入が実現しても、この円高基調は変わらない
この円高は不可避であり必然
結局は円高です。
英国のEU離脱がトリガーではありましたが、ドル円はやはりどうやっても円高にしかならないようです。24日はドル円の値幅が7円でした。過去最大の値幅だったとのことです。
それにしても、円はリスク回避先通貨としての位置づけが明確になっています。これは市場のコンセンサスです。これが解消されないことには、日本がどんなに頑張っても、円高基調は変わりません。
むろん、麻生財務相が円売り介入をしても(実際にはできませんが)、円安基調にすることはできません。
日本がデフレである以上、円高は不可避であり、必然です。日本の経済構造が変わることは考えにくいので、人為的に上げたドル円は結果的に正しい方向に戻ってきたということになります。
今回の英国民投票をきっかけに、ドル円は一時99円台に入りました。これには正直驚きましたが、いかにアルゴリズム取引の影響が大きくなっているかがわかります。
FX取引などでロスカットを入れていると、思わぬ価格でロスカットを強いられる可能性があります。
今回もドル円は99円台まで下げましたが、その後は103円台に戻すなど、かなり激しい値動きになっています。このようなときには、できるだけ市場動向を見ながら対応することが肝要です。