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「日経1万円割れ&1ドル最低でも87円」が十分あり得るこれだけの根拠=江守哲

米国株は14%下落する!? 米大統領選挙年の株価動向に注意

米国株は堅調に推移していますが、私の今年のテーマは「米国株は下落するのか?」です。米国では、今年は4年に一度の大統領選挙が実施されます。国民総出の一大イベントです。

この大統領選挙の年の米国株の動きが非常に興味深いのです。この「アノマリー」については、テレビやラジオ、セミナーなどで詳しく解説してきましたので、ご存知の方も少なくないでしょう。

私が最も気に入っているアノマリーは、「大統領8年目の年の株価動向」です。結論から言えば、米国株は14%下落する可能性があります。過去に現職の大統領が8年間務めた際の8年目の米国株のパフォーマンスは非常に悪く、年間の騰落率が平均で14%のマイナスになっています。これは非常に大きな下げです。直近では2000年や2008年が相当しますが、それぞれの年の米国株は確かに大きく下げています。

さて、その米国株は、安値から大きく戻しています。いまのところ。急落するようには見えません。米雇用統計は堅調でしたし、ISM製造業景況感指数も強い内容でした。米国の景気はきわめて堅調と判断すべきであり、株価も下げるようには見えません。

また最近になってFRB高官が近いうちに利上げが実施されるとの見通しを出していましたが、先のイエレンFRB議長の発言ですべて否定されました。すぐに利上げは実施されない見通しになり、ドル安に基調になったことも、米国株には大きなサポート要因になっています。

しかし、ここに落とし穴があるように思います。特に住宅価格の上昇が気になります。FRBは世界経済の悪化や金融市場の混乱を懸念しているとしていますが、実際には住宅価格の上昇を気にしているのではないかと考えています。バブル化しないうちに芽を摘んでおきたいと考えてもおかしくありません。住宅市場の動向次第では、再び利上げに関する言及が聞かれるかもしれません。この点には注意しておきたいところです。

いずれにしても、過去の米大統領選挙の年の米国株のアノマリーを重視すれば、株価下落は必然のように思えてきます。また米国株は、その年の初日の取引で急落すると、その年の株価は大きく下げる傾向があります。過去には1937年や2008年には1.4%下落し、年間では37%下げました。ちなみに、今年は初日に1.5%下げました

1937年は世界恐慌から8年目に相当し、FRBの利上げをきっかけに株価が急落し始め、株価の回復に8年かかりました。今年は2008年のリーマンショックから8年後。何が起きても驚いてはいけないと考えています。


※第2回は4月11日配信予定です。興味のある方はぜひこの機会に定期購読をお願いいたします。本記事で割愛した購読者限定記事「マーケット人生物語~私の人生を変えたアノ事件」もすぐ読めます。

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株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。

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