終身雇用が幻想となった今の時代、早期退職を募る企業も増えました。そんな中、「40歳定年制」という言葉が出てきました。どういう意味でしょうか?(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
なぜ政府は職業訓練に力を入れる?
当メルマガでは先日、「教育訓練給付制度」について解説しました。
今回はもう少し掘り下げて、なぜ政府は「給付金を出してまで教育訓練をするのか?」について考察したいと思います。
「終身雇用を守っていくのは難しい」あのトヨタ社長も諦めた
その考えの根拠は、2019年5月、トヨタ自動車の豊田章男社長の記者会見の記事を読んだことにあります。「終身雇用を守っていくのは難しい」と記者会見で述べていました。
トヨタ自動車の豊田章男社長の終身雇用に関する発言が話題を呼んでいる。13日の日本自動車工業会の会長会見で「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べた。
トヨタ自動車と言えば10年前、奥田碩トヨタ自動車元会長が「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ!」と発言したリストラに否定的な企業です。
そのトヨタ自動車の社長が「もう終身雇用は難しい」と言うのです。
政府にも焦り?業績好調の企業も40代をリストラへ
トヨタ自動車だけでなく、ほかの上場企業でも早期の希望退職者の対象年齢を45歳までに引き下げています。
NECや富士通、東芝など業績があまりよくない企業だけでなく、キリンHDGやアステラス製薬、カシオ計算機など、業績が好調である企業でも40代までの希望退職者を募っているのです。
だからこそ、会社にいる間に次のステップを踏めるように、政府は給付金制度を作ったり副業を解禁しているのではないか?
私は、そう考えています。
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