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マイクロソフト「TikTok買収」は断れないディール。中国と手を切り、いくらで買うのか=澤田聖陽

条件を飲むしかないマイクロソフト

マイクロソフトは昨年、米国防省の防衛基盤統合事業「JEDI」(Joint Enterprise Defense Infrastructure)も受注するなど、トランプ政権とつながりが深くなっています(これは反トランプであるベゾスがCEOをしているAmazonのAWSを採用せずに、マイクロソフトのクラウドを採用したという背景もあります。もちろん好き嫌いだけで決まるほど単純なものではありませんが)。

マイクロソフトとしては、政府の仕事を請け負っているし、そもそもアメリカ企業なので政府を敵に回してビジネスをするということは考えられないでしょう。

アメリカ政府としては、ユーザーの多いTikTokを単純に禁止するだけだと、多くの有権者を敵に回す可能性があるので、アメリカ企業に買収してもらい事業を引き継いでもらいたいという意向が強いと思います。

マイクロソフトとしては、買収を断ったらアメリカ政府を敵に回す、買収するにはアメリカ政府の意向に合わせなければいけないという厳しい状況です(簡単に言いますと、断れないディールじゃないかと思います)。

最終的には、マイクロソフトは買収を決め、段階的に中国事業を売却していかざるを得ないのではないかと予想しています。

TikTokはいくらで買収される?

あとはどれだけの価格で買収がまとまるのかという点が気になります。

そもそも売却しなければ、アメリカでの事業は禁止されて、最終的には無価値になるということなので、売り手のバイトダンス側には選択肢がなく(売るしかなく)交渉は不利な状況です。

そうはいっても一定の価値で売却したいということになると思いますが、公表されているいろいろな数字を検証してみたいと思います。

・バイトダンス全体の時価総額は、$100B~$140B(10兆円~14兆円)と言われている。

・TikTokは、アメリカで4,540万人(2020年調査)のユーザーがいると言われている。

・TikTokの利用者は13~17歳:27%、18~24歳:42%、25~34歳:16%と、35歳未満のユーザーが85%を占めている(これはアメリカ事業のデータではなく、グローバルでのデータですが、おそらくアメリカ事業での年齢層も大きく変わらないと考えます)。

・米国のソーシャルネットワークユーザーの21.6%、または5人に1人以上が、少なくとも月に1回TikTokを使用している。

・男女比は、女性6に対して男性4で、女性比率が高い。

探してみましたが、北米事業が儲かっているかどうかの財務等のデータは見つかりませんでした。

財務データがわかりませんので、どれぐらいの買収価格が適正かどうかは分かりませんが、Facebookが2014年にWhatsAppを総額218億ドルで買収したディールは参考になるかもしれません。

Next: 今回のディールは前述のとおり、バイトダンス側は売却しなければ無価値に――

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