韓国第3位の規模の暗号通貨取引所「Coinbit」が、不正取引があったとして告発されました。取引の99%が実態のない「馴れ合い売買」だったとされています。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年9月9日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
取引のほとんどが虚構だった
韓国第3位の規模の暗号通貨取引所が、不正取引行為で告発されたとの海外報道が出ました。記事を翻訳しながら、問題点を解説します。
※参考:South Korea’s third-largest cryptocurrency exchange seized due to allegations of extreme fraud – NaturalNews.com(2020年8月28日配信)
韓国警察は、韓国第3位の仮想通貨取引所「Coinbit社」を不正取引の疑いで捜査した。
ソウル警察捜査部が同取引所の本部の証拠書類や設備などを押収したとソウル新聞が報じている。
Coinbit社の取引の99%が、実体の無い「馴れ合い売買」であった可能性がある。
Coinbit社のオーナー・Choi Mo氏および経営陣は、実際には存在しない架空の幽霊口座を作って取引量を実際以上に見せかけ、さらに価格操作を行った容疑がかけられている。
警察の調査では、不正取引の総額は84B$以上と見られる。
これまで同社の口座数は25万2,000口座あると発表されていたが、その多くが実際には存在しなかったことになる。
この馴れ合い取引の容疑が浮上したのは今年の5月で、内部告発者が同社の不正行為の証拠をソウル新聞に持ち込んだことが事の発端である。
その後の調査で、ソウル新聞は2019年8月から2020年5月の期間内の99%の口座では、まったく預け入れ、および引き出しの記録がないことが判明した。
また同社の会計監査を実施した会計事務所は、最近になって同社との会計監査契約を解消したことも判明している。
ソウル新聞はこの「馴れ合い取引」の証拠を見つけたが、意図的に報道はせず、ソウル警察に通報した。同社の経営陣による証拠隠滅を恐れたためだ。
さらに警察は「馴れ合い取引」だけでなく、現在「公金横領罪」も視野に捜査を進めている。
暗号通貨取引の大きな問題点は、法律に基づいた取引基準や規制が整備されていないことである。
昨年、暗号通貨資産管理会社のBitwise社は、米国証券取引委員会(SEC)に対して、ビットコインの取引量の95%は偽物であり、膨らましたものであることを証言して認めている。
SECは、この事実を熟知しているにも関わらず、馴れ合い取引を減らす努力をしていない。
不正行為がなくならない理由の1つは、どの取引が馴れ合いだったのかを見つけるベストな方法が見つかっていないことにある。
ブラックボックスの中身はチェックできない
ブロックチェーンによって作られた暗号通貨は、外部からは見ることのできないブラックボックス化されたコードですから、簡単にはチェックできないのでしょう。
中身が見えないブラックボックスには、透明性が無いのは当然と言えます。
最近、暗号通貨を持ち上げる御囃子が聞こえて来ませんね。「絶対儲かる」「これから上がる」と騒いでいた人たちは、どこへ消えたのか?不思議です。
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・中身が見えないブラックボックスには透明性が無いのは当然(9/9)
・オハイオ州警察消防職員年金基金:増やして当然(9/8)
・IT産業の中心地:サンフランシスコでは(9/7)
・知らなかった。この国も実質輸出禁止(9/4)
・コロンビア中央銀行、外貨準備の金地金の3分の2を6月に売却していた(9/3)
・連邦準備制度:トランプの策略?(9/2)
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