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トランプに二度目の奇跡はあるか?死亡率20%から生還もバイデン優勢に=吉田繁治

死亡率20%を生き抜いた?

トランプ大統領の血中酸素濃度が、(息苦しさを感じる)94%以下に低下していたことは間違いないようです。正常値は96%以上です。90%未満が「呼吸不全」とされます。

レムデシベルの53例の「(5月の実験的な)人道的使用」では、36例(68%)に、呼吸の改善がみられた。人工呼吸器をつけていた30例のうち17例は、呼吸気を抜くまでに至った。27例(47%)は退院した。しかし7例(18%)は死亡したという(国立国際医療研究センター)。

レムデシベルを投与しても、死亡率は20%に近いのです。トランプは、呼吸が改善した68%(3分の2)のグループに入ったのでしょうか。

10月3日の米国の、コロナ起因の死亡者は、906人です。累積の死者数は20.9万人、感染者総数739万人(発見感染率2.2%)に対して、死亡数は2.8%です。

日本の感染者は8.5万人、人口に対する感染率は0.067%(1,500人に対して1人)の感染発見ですから、100人のうち2.2人の米国とは比較になりません。
※参考:https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/

米大統領選に勝つには「軽症アピール」しかない

NY市では、感染率が3%以上のホットスポットは、再び閉鎖になっています(筆者注;感染率=陽性者数 ÷ PCR検査数)。

当方は、トランプ支持でもバイデン支持でもありません。しかし、近い周囲に感染させる恐れがある時期に、ホワイトハウスに復帰するのは無謀でしょう。自分のためではあっても、周囲が被害を受けるからです。

トランプは新型コロナに感染したことを選挙に不利な条件と考えているため、退院を急いだのでしょう。こうした無謀さは、他の場面でもトランプに内在的な行動様式です(筆者注:実際は、ホワイトハウスの部屋を高度医療を施せる医師団とともに隔離した病院にし、時々メディアやツイッターに顔を出しているだけと推計します)。

軽症での回復は、選挙に不利にはならないと考えます。逆に、「同情を集めて」有利かもしれません。

しかし重症なら、国民に「大統領を続けるのは難しい」と思う人が増え、不利になります。このため、「病状にかかわらず、軽症としなければならならない」と考え、スタッフでもある医師に命令したのでしょう。

ホワイトハウスには、大統領専用の医師がいます。担当の医師の、矛盾を追及されても「もごもご」としか言わない記者会見から、これが伺えます。

安倍首相の「潰瘍性大腸炎」では、慶応病院の医師は、「嘘を述べねばならない会見」は拒否しています。前回の辞任のときは医師団が会見に控えていましたが、今回はいなかったのです。

Next: 世界人口の10%がコロナ感染。トランプは「嘘」をついている

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