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コロナで配送数3割増。FedExの決算から通販と日本の未来が見える=シバタナオキ

ECで主に利用されるFedEx GroundのPL(損益計算書)

ここからは、売上がYoY+35.9%と大きく伸びていたFedEx Groundについて、さらに詳しく見ていきます。

下表は、FedEx GroundのPL(損益計算書)です。

2021年度第1四半期のFedEx Groundの実績は次のようになっています。

売上:$7.0B(約7,000億円)、YoY+35.9%
営業利益:$834M(約834億円)、YoY +29.5%
営業利益率:11.8%、YoY ▲0.6ポイント

このように売上だけでなく、営業利益も大きく成長しており、FedEx GroundはFedEx全体の営業利益の半数以上を生み出していることになります。

ちなみに、利益率が前年に比べてやや下がっているのは、コロナ禍での配送量増大に対応するためのコスト(採用・その他)がかさんだためです。

FedEx Groundは、「売上がYoY+35.9%で伸びており、かつ2桁利益率を誇る優良事業」だと言えるでしょう。

ECで主に利用されるFedEx Groundのユニットエコノミクス

FedEx Groundの事業をユニットエコノミクスでさらに深く分析していきましょう。

FedEx Groundを含めたFedExの主な売上は配送料により構成されており、配送料売上はシンプルに次の式で表すことができます。

配送料売上 = 配送数 x 配送単価

つまり、「配送数 and/or 配送単価」が売上増加の変数というわけです。

これらの変数に関連する数字を抜粋すると、次のようになります。

日時平均配送数:1,156万個、YoY+30.8%
配送単価:$9.33(約933円)、YoY+2.2%

双方の数字とも前年同期比で伸びていますが、特に配送数がYoY+30.8%と大きく伸びています。この配送数の成長は、アメリカにおけるECのコロナ禍での成長率に連動するような伸びになっています。

参考までに、米国商務省が発表した2020年2Q(4-6月)のECの成長率は、下図の左のオレンジの円で表されている通りYoY+44.4%となっています。

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FedExの+30.8%と若干差がある点については、期間の違い(米国商務省統計は4-6月、FedEx実績は6-8月)に加えて、Amazonの自社配送網の拡充や、UberEats等の自社で配送を手掛ける新興サービスの成長などが考えられるでしょう。

また、配送単価がYoY+2.2%と伸びている点については、在宅の時間が長くなったことや在宅勤務への対応等のために、普段よりもより大きなものを買う、一度に大量に購入するようになったためと考えられます。

「配送数YoY+30.8%、YoY+2.2%」という2つのYoY成長率は、コロナ禍におけるECのトレンドを表す数字なので、暗記しておくとよいでしょう。

Next: 物流会社の決算からECビジネスの未来が見える。日本に当てはめると?

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