コロナ禍でEC市場が大きく成長するなか、最も負荷がかかるのが「物流・配送」です。物流会社の決算を読み解くことで、ECビジネスの未来も見えてきます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年10月6日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
Q. FedExの配送数はコロナ禍で何パーセント伸びた?
A. 主に米国内の配送を取り扱うFedEx Groundの配送数が前年同期比+30.8%と大幅に成長しました。
今回の記事では、米国物流最大手のFedExの決算を読み解いてきます。
コロナによる外出自粛の影響によりEC市場が大きく成長していることは、ご存知の通りでしょう。そのような中で、最も負荷がかかるのが「物流・配送」です。
あらゆるECにおいて物流が関わってくるため、物流大手のFedExの配送量の変化を知ることで、EC全体のボリュームの推移を大まかに把握することができるわけです。
そのようなわけで、今回は物流会社であるFedExの決算から、コロナによるECの変化について概観していければと思います。
では、まずはFedExの直近の決算を見ていきましょう。
※参考:FedEx Corporation Q1 Fiscal 2021 Statistics(2020/9/15) ※筆者注:FedExは5月決算なので、今回の四半期は6-8月の四半期
FedExの2021年度第1四半期の売上は、$19.3B(約1.93兆円)で前年同期比(YoY)+13.3%と堅調に成長しています。
一方、同期間の営業利益は、$約1.6B(約1,600億円)でYoY+62.7%と大幅に成長しています。
その結果、営業利益率は8.2%と前年の5.7%から大きく改善しています。