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なぜ2008年の論文に新型コロナの記述が?著者8名は中国名、音信不通=高島康司

著者に連絡できない

そしてこの論文の著者だが、8名の研究者の連名で出ている。全員が中国名だ。冒頭の3名の経歴を試みに掲載する。

・ユジャン・ウエイ(Yuxiang Wei)
・チャンメイ・ヤン(Changmei Yang)
・バオジュン・ウエイ(Baojun Wei)

中華人民共和国、「北京協和医学院」ならびに「中国医学科学院」大学院出身。「北京病院国立医療研究所免疫学・分子診断部門」所属。

これは8名の執筆者のうち、冒頭に記載されていた3名の経歴だが、調べて見ると8名の研究者全員が中国の同じ大学出身で、中国の同じ研究機関に所属していた。「タイランド・メディカル・ニュース」は、なぜ2008年に発表された論文に当時は存在しない「SARS-CoV2」や、いまも存在しない「SARS-CoV3」の名前が記載されているのが説明を求めるために、この論文の執筆者に連絡をしようと試みた。しかし、連絡は取れなかったという。

実際、こうした記載がなぜ2008年の論文にあるのかは謎だ。もしかしたら合理的な説明があるのかもしれないが、いまのところは分からない。なんとも言えない状況だ。

新型コロナウイルス人工作成説

新型コロナウイルスの起源には謎が多いのも事実だ。今年の9月、「香港大学公共衛生学部」のウイルス専門家で米国亡命中の閻麗夢(イェン・リーモン)博士が新型コロナウイルスが「武漢ウイルス研究所」で作られたという科学的な証拠を発表する予定だと発言した。

閻麗夢は「新型コロナウイルスが「武漢海鮮市場」で最初に発生したというのは煙幕にすぎない。新型コロナウイルスは自然発生ではない」と訴えた。

そして、「遺伝子の塩基配列は人間の指紋のように識別が可能だ。このウイルスが中国でどのように発生したのか、だれがウイルスの創造者なのかという証拠をつかんでいる」と発言した。

しかし、発表された閻麗夢の論文には、ニューヨークにある「ルール・オブ・ロー・ソサエティー」と「ルール・オブ・ロー・ファウンデーション」というNPO法人に所属していると記されている。これらのNPO法人は、2019年1月、スティーブ・バノンがアメリカに亡命した中国人実業家、郭文貴とともに、中国の悪行を暴露し、中国に民主主義と「法の支配」をもたらすことを目的として設立した組織だ。昨年はバノンが「ルール・オブ・ロー・ソサエティー」の会長を務めていた。

スティーブ・バノンといえば、ホワイトハウスの元主席戦略官だった人物だ。極右の中心的なイデオローグで、いまは中国共産党を崩壊させる運動を展開している。しかし、ニュースサイト、「ブライトバート・ニュース」を立ち上げたフェイクニュースの元祖とも言われる人物で、信頼性はとても低い。

そして、「米国立エネルギー・感染症研究所」のアンソニー・ファウチ所長をはじめ、多くの科学者が新型コロナウイルスの人工作成説を否定し、アメリカの情報機関を統括している「米国家情報長官室」もその可能性も否定している。

Next: 最初の感染者は「武漢海鮮市場」ではない?

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