fbpx

なぜ2008年の論文に新型コロナの記述が?著者8名は中国名、音信不通=高島康司

2008年5月に発表された論文に新型コロナウイルスの正式名称である「SARS-CoV2」がすでに掲載されていた。医学分野の最新研究を紹介するサイトが発見し、中国人の名前で記載されている執筆者8名との接触を試みたが、連絡は取れなかったという。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

※本記事は新型コロナウイルスに関する内容が含まれます。新型コロナウイルス感染症については、厚生労働省などの公的機関が発表する情報をご確認ください。

【関連】最悪の2020年、次に起きる大事件とは?米抗議デモを的中させた専門家の警告=高島康司

※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2020年10月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

2008年の不気味な論文

「タイランド・メディカル・ニュース」というサイトがある。ここは医学と医療の分野における最新の研究を紹介するサイトだ。

専門家でもない限り、医学論文は読まない。専門性が高く、読解するにはかなりの専門知識を要求するので、ハードルが高いからだ。そのような状況で、そうした論文の内容を分かりやすく紹介しているサイトが「タイランド・メディカル・ニュース」だ。

ここはもともとタイの医療産業を紹介するサイトであったが、新型コロナウイルスのパンデミックが発生後、これに関する最先端の研究論文の分かりやすい要約を掲載したため話題になった。

いまでは、多くの医師や研究者が協力しており、新型コロナウイルスに関する最先端の情報を得るには欠かせないサイトになっている。

10月19日、「タイランド・メディカル・ニュース」に興味深い記事が掲載された。それは、「なぜ2008年のカタログに入れられた「米国立衛生研究所(NIH)」の論文にSARS-CoV2とSARS-CoV3が記載されているのか?」という長い題名の記事である。

この記事によると、2008年に発表された論文に、新型コロナウイルスの本来の名称である「SARS-CoV2」、さらに「SARS-CoV3」が記載されていたというのだ。ちなみに、一般的に新型コロナウイルスと呼ばれているウイルスの正式名称は「SARS-CoV2」である。これが引き起こす病気の名称が「Covid-19」だ。「SARS-CoV2」がこのウイルスの正式名称になったのは、2020年になってからだ。試みにウィキペディアを参照すると、次のようにある。

2020年1月7日、世界保健機関 (WHO) は、中国武漢で発生している疾患の原因であるウイルスを2019-nCoV(2019 novel coronavirus の略称)と暫定的に命名した。この呼称は厚生労働省公式ウェブサイトのほか、国立感染症研究所作成の「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」と、これを基にした「2019-nCoV 遺伝子検査方法」にも使用された。このため、体外医薬品の名称や、正式名称決定以前に作成されたウェブサイトなどにみられる。

同年2月11日、国際ウイルス分類委員会(ICTV)がSARS-CoV-2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2の略称)と正式命名した。この日本語訳としてSARSコロナウイルス2のほか、SARSコロナウイルス-2、サーズコロナウイルス2、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス2型などと呼称・表記される場合もある。

日本の国家機関や主要な報道機関は同年時点で、単に新型コロナウイルスと呼称している。

一方、WHOは同年2月11日、このウイルスによる疾患をCOVID-19(Coronavirus disease 2019 の略称)と命名している

出典:SARSコロナウイルス2 – Wikipedia

これを見ると分かる通り、新型コロナウイルスが「SARS-CoV2」と命名されたのは、2020年2月11日の「国際ウイルス分類委員会(ICTV)」による正式発表によってである。もちろん、それ以前にこの名称は存在しなかったはずだ。

しかしながら、「タイランド・メディカル・ニュース」は、12年も前の2008年5月に発表された論文に、すでにこの名称が記載されていたというのだ。

それには「SARS-CoV2」だけではなく、まだ存在していない「SARS-CoV3」という名称まであった。

Next: 散見される「SARS-CoV2」の文字。偶然と片付けることもできるが

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー