偶然に付けられた名称とも言えるが…
その論文は、「2プラスミド共発現システムによって生成された長いキメラRNA配列を含むRNase耐性ウイルス様粒子(RNase-Resistant Virus-Like Particles Containing Long Chimeric RNA Sequences Produced by Two-Plasmid Coexpression System)」という長いタイトルの論文だ。以下で読むことができる。
※参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2395109/
内容は非常に専門性が高く読解は難しいが、それには次のような箇所があった。グーグル翻訳である。
C型肝炎ウイルス、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV1、SARS-CoV2、SARS-CoV3)、鳥インフルエンザウイルスマトリックス遺伝子(M300)、H5N1鳥の6つの遺伝子断片を含む2,248塩基の3V装甲L-RNAインフルエンザウイルス(HA300)は2プラスミド共発現システムによって正常に発現され、アーマードRNAのすべての特性を備えていることが実証されました。
専門性が高すぎて意味ははっきりとは読み取れないものの、重症急性呼吸器症候群コロナウイルスの一部として「SARS-CoV2、SARS-CoV3」の名称が記載されているのだ。
新型コロナウイルスが発見されるはるか以前に、その当時では存在していない「SARS-CoV2」の名称がなぜ出てくるのだろうか?ましてや「SARS-CoV3」はいまも存在していない。
論文の該当ページのコピーを掲載した。赤の囲いがあるのが論文が発表された日付で、文中の赤線で示した部分が「SARS-CoV2」と「SARS-CoV3」が記載された箇所だ。ぜひ見てほしい。
「SARS-CoV2」と「SARS-CoV3」という名称は、論文全体に頻出している。内容はあまりに専門的で筆者は理解できていないが、RNAウイルスである「SARS-CoV2」と「SARS-CoV3」の作成過程が掲載されているように見える。とにかく不気味な論文だ。一部のページを画像としてコピーした。ぜひ見てほしい。黄色で示した箇所が「SARS-CoV2」と「SARS-CoV3」という言葉が書かれている箇所だ。
普通専門性の高い医学論文であっても、冒頭の要約を読むとある程度内容がつかめるものだが、この論文に関してはそうではない。どこを読もうと、分子生物学の高度な専門知識がないと、概要さえ把握できない。
参考に、グーグル翻訳で日本語にしたものの画像を添付しておく。ぜひ見てほしい。
もちろん、この論文の「SARS-CoV2」と「SARS-CoV3」という標記が偶然につけられた名称である可能性は否定できないだろう。2003年に東南アジアを中心に蔓延した「SARS」ウイルスの正式名称は「SARS-CoV」である。これが将来進化する可能性を示唆するために、「SARS-CoV2」と「SARS-CoV3」と仮に命名したのかもしれない。それが、今年の「WHO」による新型コロナウイルスの正式名称と偶然に一致した可能性だ。だが、もちろんこれは著者本人に確認してみないと分からない。
ちなみにこの論文は、2008年2月27日にオンラインで最初に発表された後、同年の5月に「医療微生物学誌(Journal of Clinical Microbiology)」に発表された。この医学専門誌は、世界でもっとも権威のある「アメリカ微生物学会(American Society for Microbiology)」が発行している学術誌だ。その後この論文は、アメリカの公衆衛生の中心である「米国立衛生研究所(NIH)」に正式な論文としてカテゴライズされている。
研究論文には、「未査読」と「査読」の2つの種類がある。論文の内容が正式に認められるためには、同一分野の研究者による調査と検証が必要になる。これは行われていない状態を「未査読」といい、行われた状態を「査読」という。
「米国立衛生研究所(NIH)」が正式な論文と認めたのは「査読」を終えたものばかりだ。