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イラクが捕虜にしたイスラム国兵士は「イスラエル軍の大佐」だった=高島康司

「イスラム国」にイスラエル軍の大佐が直接参加していた

日本の報道がこのような状態なので、特にシリアと「イスラム国」に関する情勢は、ほとんど報道されることはない。そのため日本では、実際なにが起こっているのか皆目分からない状況が続いている。

そのようななか、イランの政府系メディア『FARSニュース』が興味深い事件を報じた。これは10月末に起こった出来事だが、最近明らかにされた。

イラク国内で「イスラム国」掃討作戦を実施していたイラク軍は、数名の「イスラム国」の戦闘員を捕虜にした。すると、そのうちの1人がイスラエル軍の現役の大佐であることが分かった。

捕虜となったのは、ユーシ・オウレン・シャーハク大佐で、イスラエルが実効支配しているシリア領ゴラン高原に展開する特殊部隊の「ゴラニ歩兵大隊」に所属する現役の大佐であった。

前回の記事にも詳しく書いたように、ゴラン高原の「ゴラニ歩兵大隊」は「イスラム国」の幹部クラスに軍事訓練を実施している。「イスラム国」が次の活動拠点となるエジプトに侵入するために必要な訓練を行っているのだ。

ところが、今回「ゴラニ歩兵大隊」の現役の大佐が捕虜になったことで、「ゴラニ歩兵大隊」は「イスラム国」の戦闘員を訓練しているだけではなく、イスラエル軍の将兵が「イスラム国」に参加している可能性が極めて高いことが明らかになった。

もしロシア軍とイスラエル軍が衝突すれば――

もしこれが事実であれば、この状況は潜在的に大きな危険性を内包していることが分かる。

いまロシアでは、「イスラム国」を完全に壊滅するためには、地上部隊の派兵はどうしても必要だとの主張がある。もしロシアがこれを実施した場合、「イスラム国」に参加しているイスラエル軍とロシア軍が衝突する可能性も決して否定できないことになる。

たしかに今回、イスラエル軍の大佐が捕虜となったのはイラクであった。いまロシアが空爆している地域はシリアに限られる。したがって、ロシア軍の地上部隊がイラクに展開しない限り、このような衝突は起こらないとも言える。

しかしイスラエル軍が、シリアの「イスラム国」には絶対に参加していないと言うことはできない。今回たまたまイラクで捕虜となっただけで、「イスラム国」の本拠地シリアにも相当数が実際にいる可能性があるはずだ――


未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガは有料メルマガです。今回ご紹介した2015年12月11日号では、この続きとして以下の内容を解説しています。

欧米諸国と有志連合はなにを攻撃しているのか?

トルコ軍のイラク派兵

トルコ軍の本当の目的

高まる敵対関係と緊張

止まらないトルコからの資本流出

IMFが招集した専門家会議

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』(2015年12月11日号)より一部抜粋
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