「ブラックスワン」は必ず現れる
金融の世界には、「ブラックスワン」という考え方があります。白鳥の中に突然現れる「黒い白鳥」のことです。すなわち、予期しないところから突然現れる重大な事象のことをあらわします。
2020年の新型コロナウィルスの蔓延は、まさにブラックスワンだったと言うことができるでしょう。誰も予期しない突然の出来事によって、世界がガラッと変わってしまいました。このようなことが起こるからこそ、相場の予想というのはあまり意味を持たないのです。
2021年の相場がどうなるかわかりません。しかし、確実に言えることは、ひたすら上昇を続ける株価は無いということです。上がりすぎた株はどこかで必ず下がりますし、再びどこかから黒鳥が現れないとも限りません。そうなったときには株式市場は大混乱に見舞われるでしょう。
しかし、長い目線で見れば、一時的な混乱を経て長期的には株価は再び上昇に向かうものです。私のような長期投資家であれば、そのような混乱期に株を仕込んで、やがて来る上昇の果実を刈り取りたいと思っています。そんな時に買いたくなる素晴らしい企業を今は探し続ける時と考えます。
「長期的には楽観しているが、短期では悲観している」――孫さんもこのように言っています。この姿勢こそが、私たち長期投資家に求められるものです。足元は慎重に、長期的には明るい展望を持ってゆっくりと歩みを進めましょう。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2020年12月27日)
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。