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2021年のアジア海外移住事情~タイ・フィリピン、リタイア生活の理想と現実とは=栗原将

子どもの教育環境は十分か?

<タイ(バンコク):選択肢は多い。英語教育目的なら難あり>

日本人学校でもインターナショナルスクールでも選択肢は豊富で、インターだと欧米人の子弟の姿を電車などで見かけます。親の送り迎えなしで、ショッピングモールで買い物したりもできているので、それだけバンコクは治安が良いという証拠になりますね。

学校の充実さと治安は問題ないのですが、一方で、タイでは英語は公用語でないので、英語教育目的ならば、マレーシア移住の方がよろしいでしょうね。実際、同じ目的のご家庭はマレーシアが圧倒的に多いです。知り合いで、マレーシアの中学校から慶應ニューヨーク高に入学できた、という事例もありました。

<フィリピン(セブ):教育面では期待できない?>

英語教育という面では魅力ですが、治安の面と学校全般のクオリティは高くないので、まったくフィリピンと関わりない場合の教育移住は、正直おすすめしません。マレーシアの方がいいでしょうね。

コロナでほとんどの学校がオンライン授業となっていますが、正直なところ、フィリピンの教育への優先度は高くないです。かんたんな計算さえできない大人がたくさんいるのですが、それだけ教育水準が低いということです。

日本人にフィリピン不動産を売りたい業者は、「英語ができるから教育水準が高い」みたいなPRをします。しかし、英語以外の能力は非常に低いというのが実情です。

能力が高い医師や専門職は、外国に出てしまいがちです。

移住手続きの難易度

<タイ:ビザは取得しやすい>

ロングステイビザが取れる50歳未満の場合、タイランドエリートが最も容易に取れるビザですが、観光ビザという選択肢もあります。

家族の帯同有無や移住目的にもよりますが、ビザが取れないということはほとんど考えられません。裏金も不要です。

<フィリピン:賄賂での不法入国が問題化。コロナ禍で難易度上昇も>

SRRV(特別居住退職者ビザ)というリタイアメントビザが35歳以上ならば取得できるもので、私自身2014年に取得しました。しかし、現在は新規発給は停止となっています。

理由は、中国人の取得者が、リタイアメントビザなのにもかかわらず、オンラインカジノで大量に労働していたことが議会で批判され、見直しが行われているからです。

加えて、イミグレーションで大量の賄賂での不法入国が内部告発され、外国人の入国自体が厳しくなっているところに、コロナが発生していますので、移住というか、フィリピンへのビザなし入国自体、2021年中には無理では?という声もあるくらいです。

一方、既存のSRRV保有者であっても、フィリピン人配偶者がいなければ入国できない状態であり、正直なところ、ビザの意味ないのでは?という感じです。

タイでは、手続きは必要ですが、ビザの権利は維持されています。それと比べるとフィリピンは万事、制度は不安定で信頼性は低いです。

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