fbpx

成人式は中止か自粛の2択? 首都圏からの参加に「大人の判断」求める仙台市に若者怒り

年末年始にかけて新型コロナの感染者数が急増するなか、今週末などに開催される予定だった成人式の中止決定が相次いでおり、このことに対して様々な反応が飛び交う事態となっている。

報道によると、7日に緊急事態宣言が再び発出される見通しとなっている東京都内では、1月4日だけで13の区市が式典の中止を発表し、この13区市のほか渋谷区も、正式に緊急事態宣言が出れば中止にするとのこと。そのいっぽうで新宿区は、区長が「絶対にうちはやります」と明言するなど、同じ23区内でも対応が分かれる形となっている。

「日本最大規模の成人式」として知られる横浜市は、都内と同様に緊急事態宣言が発出される予定だが、5日時点で中止や延期等のアナウンスは無し。昨年は横浜アリーナで午前と午後の2回行われ、合計2万5000人近くの新成人が参加したが、市のサイトによれば今年は横浜アリーナにくわえてパシフィコ横浜ノースも会場となり、しかも各会場ごとで4回に分けて行うことで、参加者の分散化を図るようだ。

いっぽうで、緊急事態宣言が出される首都圏以外の地域でも成人式の中止を決める自治体が増えており、5日には甲府市で成人式の中止が決定したとの報道も。市の関係者によると、出席者の約7割が東京など1都3県在住者ということもあり、緊急事態宣言下で帰省も困難ということもあって中止となった模様で、山梨県内の他の自治体も追随する流れだという。

大人のツケを子どもが払う構図となった壱岐市

全国各地の自治体が対応に苦慮する今年の成人式だが、その対応に関して批判の声があがるところも多い。

なかでも昨年末に成人式の延期が決まった長崎県壱岐市は、その経緯が酷すぎるとの声が多くあがる。というのも、同市内では4日時点で36人の感染者が確認されているが、なんと市職員も参加した忘年会でクラスターが発生したというのだ。

報道によると、昨年12月下旬に壱岐市の市民福祉課とこども家庭課による20人規模の飲食を伴う会合があったといい、昨年末に行われた検査で6人の市職員の感染が判明。クラスター発生と判断された。これを受けて同市は成人式の延期が決め、市長が島の防災放送で「おわび」をしたという。

離島ということもあり医療体制の崩壊にも気を付けないといけない最中での、市職員による大規模な忘年会の実施、それによって起こった感染拡大によって成人式が延期になるという経緯に、SNS上では「軽率な行動」「全員懲戒免職」「無自覚な職員のために、新成人が犠牲になるとは」といった、さながら“大人のツケを子どもが払う”構図を作った市職員の行動を批判する声が多くあがっている。

自ら決断せず新成人の「大人の判断」を強いる仙台市

さらに、ここに来てその対応に疑問の声が噴出しているのが宮城県仙台市。同市では今のところ成人式自体は開催する予定となっているが、なんと参加対象者のうち首都圏などの県外在住者に対しては、出席自粛を呼び掛けているというのだ。

このことに対して、仙台市の市長は4日に行われた年頭記者会見で「強制ではないが、大人の判断をしてもらいたい」、さらに「(新成人に送ったメールは)『お控えいただきたい』という文面だったと思う。『参加しないでほしい』という強制ではない。感染防止策を徹底した上で、自信を持って大丈夫ということであれば参加もあり得る」と発言したとのこと。

そんな仙台市の対応に関しては、周辺の自治体からも「差別のような形になってしまう」などと否定的な声もあがる。さらにSNS上では「卑怯な言い回し」「大人が判断できないのに…」と、責任逃れにも見える同市の対応ぶりに苦言を呈する意見が多く見られる。

東京都内では、5日も過去2番目となる1,278人の新規感染者が確認されるなど、新型コロナの感染拡大が収まる気配は全く見えず、今後も成人式の中止・延期を決める自治体は増えそうな情勢だ。新成人にとっては、一生に一度のイベントがこのような形で中止となってしまうのは、残念この上ない話で掛ける言葉もないところ。せめて今回のドタバタを通じて、他人の迷惑顧みず感染拡大を招く飲み会を強行する軽率な大人、さらに自らの責任逃れのために都合よく「大人の判断」などという言葉を吐く卑怯な大人には決してならないよう、今後の人生を頑張っていただきたいものである。

Next: 「一浪で大学受かったものの…」

1 2
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー