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実は間違い「保険は無駄」説。美味しい節税効果と確率論の盲点とは=午堂登紀雄

米国公認会計士の筆者が考える保険活用術

そこで私が考える優先順位ですが、まずDCにマックスの金額で加入し、家計の余裕があればプラス個人年金か確定給付型の生命保険(子どもがいれば学資保険もOK)、そして医療・介護保険の順です。

もちろん、いずれも所得控除が受けられる範囲の最小金額にとどめ、あとは貯蓄か別の運用に回すことが利回りを高めるポイントです。

特に医療保険で貯蓄型というのは非常に種類が少ないので、保険の相談所のようなところに相談に行くことをおススメします。

保険の種類は多く複雑で、個人が個々に情報収集するのは非常に効率が悪いように思うからです。それに、保険屋さんに相談すれば、キャッシュバックやポイントバックが受けられるところもあるので、それを利用すると相談できてお金までもらえるという、一石二鳥です。

ちなみになぜ相談は無料でさらにキャッシュバックができるかというと、保険代理店は保険会社から契約金額の〇〇%といったキックバックが受けられるからです。

個人向けの保険は金額が小さいですが、法人向け(経営者向け)の保険は契約金額も大きくバック率も高いので、私の知人で年収2,000万とか3,000万を稼いでいる人はたいてい法人保険を得意としています。

<個人年金保険>

個人年金保険はどこも同じような商品設計なので、自分の年齢から考えて何年ぐらい運用するか、そのタイミングでの返戻率が最も高いものを選べばよいと思います。

<民間の介護保険>

民間の介護保険は今のところ加入していません。要介護認定が出なければ下りない保険で、その要介護認定は公的介護財政の悪化で厳しくなっているようです。とすれば、せっかく入った介護保険なのに、認定が受けられず保険金が出ないこともある。また、その公的介護の仕組みも今後数十年経てば変わる可能性は十分ある。すると、自分が加入した介護保険では不利になるリスクがあるわけです。たとえば、公的介護保険で十分賄えるようになっているとか。というふうに、介護をめぐる制度は不透明なので、いまは入らない方が良かろうという判断です。

<生命保険と学資保険、どっちに入る?>

お子さんがいらっしゃる場合、生命保険と学資保険で迷うかもしれませんが、ここも最大の返戻率のものを選べばよいと思います。実際、そんなに死なないですからね。

ただし、住宅ローンを組む場合は団信(団体信用生命保険)には入った方が良いと思います(銀行によっては住宅ローンを出す条件になっているところも多い)。団信は生命保険と同一機能ですので(借り手が死亡や高度障害になれば、保険会社が住宅ローンをすべて払ってくれる)、住宅ローンがある人は生命保険は不要に思えます。

とはいえ、学資保険の利回りは現在は非常に低いので、返戻率ベースでの商品選定としてはやはり生命保険でしょうか。

<定期か終身か>

あと、定期か終身かという選択もありますが、私は定期にしています。

老後は年金もありますし、寿命を迎えるころには子どもたちも自立しているでしょう。老後に私が死んで家族が困窮するということも想像しにくいので、私が自分で受け取って自分で使おうと思っています。

Next: なぜ掛け捨てはNG? 貯蓄型保険にも大きなリスクがある

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