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Amazon対抗馬の最右翼、米ウォルマートはなぜコロナ禍に売上が伸びたか?売上と株価に大きなギャップが生じる理由、実店舗を持つ意味とは=シバタナオキ

世界最大級の売上額を誇り、“アマゾンに対抗できる唯一の小売企業”とも言われるアメリカのウォルマート。その2021年度第3四半期決算から、ウォルマートがコロナ禍で店舗売上を伸ばした理由を探ります。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年1月24日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

ウォルマートの2021年度第3四半期決算の印象は?

私のYouTubeチャンネルでは、決算読み解き実況中継をしています。おかげさまでYouTubeの方も多くの方にご覧いただいているのですが、特に忙しいビジネスパーソンの方たちから「YouTube動画の内容を知りたいが、動画を見る時間がない」というお声を多数いただいています。

この記事では、以下の動画の内容をスクリーンショット付きで文字起こししてあります。動画を見る時間はないけれど、内容を短時間でおさらいしたいという方に最適です。

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――(Risa)皆さん、こんにちは。Risaです。今回は、世界28カ国で展開している大手小売企業ウォルマートの決算をシバタさんと見ていこうと思います。よろしくお願いいたします。

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――ウォルマートは売上高世界最大級の小売企業です。日本では西友の親会社というイメージでしたが、現状を調べたところ、過半数の株式を楽天とKKRに売却しており、日本ではまた違った事業をしているようです。

――また、デジタル化にも積極的で多くのスタートアップを買収し、最新のテクノロジーを導入、さらにテクノロジー人材の獲得を進めており、“アマゾンに対抗できる唯一の小売企業”とも言われています。

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――ウォルマートの2021年度第3四半期の決算を見ていきます。単位はすべてbillionUS$ですが、この動画でテック系企業の決算を見慣れていると、収益が+5.2%は少し物足りなく感じます。そもそも3ヶ月間の売上(Net Sales)が$133.8B(約13.38兆円)と巨大なので収益が+5.2%も伸びているのはすごいと個人的には思いました。シバタさん、今回の決算全体の印象はいかがでしょうか。

(シバタナオキ)ウォルマートとアマゾンを比較すると、eコマースではアマゾンの方が大きいですが、ウォルマートの方がはるかに大きいということを意外と皆さん知らなくて。特にネットの世界で生きている人たちはアマゾンの方が大きいと思っている人がいます。

ウォルマートは収益が$134.7B(約13.47兆円)ですから非常に大きな会社です。従業員もたくさんいますし、文字通りお店をたくさん持っている会社ですので、小売業(リテール)ではまさにアメリカで一番大きい会社です。

今回の決算について、もちろん収益は+5.2%伸びて利益もきちんと出ており、すごいと思います。ただ、まさにおっしゃっていただいた通り、もともと図体が大きいので、それを5%伸ばすだけでも大変ですが、eコマースのプレイヤーに比べると伸び率という点では少し物足りなかったというのが正直なところです。

Next: 店舗売上が伸びた要因は?小売業種で見るべき指標

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