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楽天カードまた改悪、公共料金の還元率5分の1に。「モバイル苦戦のしわ寄せ」ほか不満噴出で客離れの危機

楽天カードは3月1日、公共料金などへの支払いの際に付与していたポイントの進呈条件を変更するとアナウンス。その「改悪」ぶりに、ユーザーから大きなため息が漏れている。

同社のリリースなどによると、対象になるのは電気・ガス・水道といった公共料金や、国税・都道府県税などの税金、それに国民年金保険料やYahoo!公金支払いでの利用時。従来までなら楽天ポイントが100円につき1ポイント貰えていたのが、今後は500円につき1ポイントと、獲得ポイントが5分の1に下がる模様だ。

なお今回の獲得ポイントの進呈条件変更は、カードの利用明細に記載の利用日が6月1日以降のものが対象となるという。

今年に入り相次ぐ改悪に「経済圏離脱」の声も

今年に入って早々には、ゴールドカードの特典だったポイント還元率(SPU)「+4倍」が「+2倍」に下げられると発表され、ユーザーからは「改悪だ」との声が多くあがっていた楽天。ただ、楽天の各サービスにおける改悪はこれだけではない。

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楽天といえば、自社サービスの利用状況などに応じて、楽天市場での買い物時に付与されるポイントの倍率がアップするSPU(スーパーポイントアッププログラム)が大きな特徴。ところが上記のゴールドカード決済時以外にも、2月1日にはNBA Rakuten、さらに4月1日からは楽天TV「Rakuten パ・リーグ Special」に関して、それまで加入者に付与していた還元率「+1倍」を止めて、SPUの対象外としたのだ。

さらには新電力サービスの楽天でんきも、これまで加入者にはポイント「+0.5倍」を付与していたのだが、6月1日からはSPU対象外となると発表があったばかりだ。

またSPUの条件変更以外では、「楽天ペイ」において従来までなら楽天カードで支払った際のポイント付与率が2%だったものを、2月1日からは1%に引き下げ。さらに楽天が手掛けるフリマサイト「ラクマ」では、出品者が支払う販売手数料がそれまで商品価格の3.5%だったのが、1月13日からは6.0%に大幅アップするなど、今年に入ってから行われたものに絞り込んでも、数多くの「改悪」がなされている。

このような状況に関して、ネット上では「楽天は釣った魚に餌をやらない」との評価が定まりつつある状況だ。ましてや今回のような公共料金や税金となると、毎月や毎年に払う金額もそこそこなものということで、それだけに獲得ポイントの目減りは大きいとの声も。ユーザーの間では、これ以上の改悪があれば「経済圏からの離脱」も検討せざるを得ないといった意見もチラホラと見られる状況だ。

QR決済でもジリ貧の戦いが続く

このように楽天界隈における「改悪」が取沙汰されていた最中、ヤフーの親会社のZホールディングス(HD)とLINEとの経営統合、2022年にはQR決済のPayPayとLINEペイが統合されると報道された。両社の売上高の合計額は約1兆3000億円にのぼるといい、これは奇しくも楽天に迫る規模とのことだ。

この合併に関しては、「AmazonやGoogleに対抗できるか」といった論調の報道も見られるが、それら海外の巨大IT企業とは、実際のところまだまだ経営規模に大きな差があるのが実情。それもあってか、ネット上では「まずは同じ日本国内の楽天との対抗では?」との声も多く聞こえてくる。

楽天と「ZHD+LINE」とでは、ネット通販や金融など様々なサービスで競合するものとみられるが、ことQR決済に関しては、今後予定されるPayPayとLINEペイの統合によって、「ZHD+LINE」が日本国内でのトップシェアを完全に固める格好となった。さらに「超ペイペイ祭」などといった大型キャンペーンを相次いで繰り出す「ZHD+LINE」対して、楽天が手掛ける「楽天ペイ」の販促活動はどうにも地味な印象で、くわえて先述のポイント付与率ダウンという「自爆行為」もあって、シェア拡大への勢いが全く感じられない状況だ。

自らの座を大いに脅かす大きなIT企業が国内に出現したのに対し、それへの目立った対抗策を打ち出せないどころか、相次ぐ「改悪」によってユーザーの離脱も招きかねない状況に陥いる楽天。「改悪」頻発の原因は、一部では「田中将大獲得の影響」との声もあるものの、やはり「楽天モバイルの苦戦」にあるのではとの意見が圧倒的だが、元からの「楽天経済圏」住民にとっては、既存サービスにしわ寄せが来るのであれば、そんな赤字事業なんて止めてしまえというのが、偽らざる心境といったところではないだろうか。

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