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これぞ“令和の肝練り”。鹿児島県職員、コロナ下に39人で大宴会「当たって死ぬのは運が悪い」と酒盛りか

新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されていた3月下旬に、鹿児島県の職員があろうことか39人という大人数での宴会を行っていたことが判明。知事がおわびをするという事態に発展している。

報道によると、参加していたのは当時の観光課長ら県職員29人と県観光連盟の10人。3月26日の夕方から約2時間半、鹿児島市内のホテルにおいて送別会と称して酒宴を行っていたという。

鹿児島県の塩田康一知事は3月18日の記者会見において、歓送迎会などの会食は「4人以下、2時間程度を目安に」と県民に呼びかけていたが、県職員向けに示した懇親会をする際の注意事項には、人数制限はなかったという。今回の件を受けて、知事は「県民のみなさまにご不快な思いをさせ、誠に申し訳なく思う。改めて職員に対し、感染防止対策を具体的に示し、徹底を図っていく」とおわびしている。

相次ぐ公務員による「コロナ下での多人数会食」

今回の件は、現時点ではコロナ感染者は確認されていないということで何よりだが、それにしてもこのところ多いのが、公務員によるコロナ下での「多人数会食」の発覚だ。

大阪市では今月3日に、3月下旬の同じ日に男女9人の職員が焼肉店で、さらに別のグループは男性5人が居酒屋で会食し、焼肉屋では2人、居酒屋では3人が陽性になるという“同時多発コロナ会食”が発覚した。また感染者数が全国最少の鳥取県でも、県職員14人が多人数での飲食にくわえ、ほぼノーマスクでのカラオケを行い、参加者のうち8人が感染。さらに国家公務員でも、厚生労働省老健局に所属していた職員らが、3月下旬に23人が出席する宴会を開き、そのうち3人のコロナに感染したと、8日に明らかになっている。

こうしてみると、どうやら年度末の送別会シーズンに行われた会食による感染が、ここに来て次々とバレているといった格好だ。ただ、そもそも国民や地域住民に会食等の自粛をお願いしてる立場の人間が、自ら多人数で会食して感染してしまったら、どのような反応が返って来るかは、誰でも分かるようなもの。ネット上では、そんな公務員たちの意識の低さに対して、批判が集中する事態に。さらに今回の件に関しては、39人というこれまでにない人数の多さにも、驚き呆れる声が多くあがっている。

コロナ会食は「令和の肝練り」か?

今回の不祥事が発覚した鹿児島といえば、日本でも有数の焼酎の産地としても知られる土地柄。そこに住む人たちも、そうではない人もなかでは当然いるだろうが、おしなべて大酒飲みだというのが、自他ともに認めるパブリックイメージといったところであろうか。

それだけに酒宴の場は相当に盛り上がるものと想像できるが、そんな鹿児島にはとんでもない酒宴での趣向が、過去には行われていたと伝えられている。ネット上の歴史好きの間では良く知られているのだが、「肝練り」と呼ばれるものだ。

以前よりネット掲示板などに、その模様を描いた漫画がよく貼られたことで有名となった肝練りだが、要は酒宴の際に、場の真ん中に火をつけた火縄銃を梁から吊るしておき、銃口がグルグルと回っているところを参加者が車座で囲み、酒を酌み交わすというもの。もちろんランダムに火縄銃は発射されてしまうわけで、その際に銃口が向いていた参加者は死に至る可能性が……。そんなスリリングな状況のなか、どれほど豪胆に振舞えるのかという、ロシアンルーレットにも似た究極の度胸試しだ。

江戸時代に書かれた随筆にもその名の記述があり、先年のNHK大河ドラマ『西郷どん』にも、これを下敷きにした演出が登場し話題となった肝練りだが、昨年からのコロナ蔓延の状況下においては、「コロナ飲み会は現代の肝練りでは?」といった声もチラホラとあがっている。「誰に当たるか分からない」といったスリリングな状況、さらにその状況さえも酒のつまみだと言わんばかりの蛮勇ぶりは、確かに似たところはあるのかもしれない。

鉄砲玉ならぬコロナが怖くて酒が飲めるかという風土が、39人という大人数での酒宴を強行させた「緩み」にも繋がった、とも邪推されかねない今回の鹿児島の件。参加者が肝練りよろしくズドンと感染するのは自業自得だが、コロナの場合はその家族など、酒宴参加者以外にも広がる可能性もあるだけに、くれぐれも責任のある行動を取って欲しいというのが、県民の願いではないだろうか。

Next: 「県民がどれだけ我慢してると思っちょっとよ!」

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