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バイデン政権下で「失業していたほうが儲かる」異常事態。日本を巻き込み何が起こるか?=高島康司

アメリカで進行しているインフレは、新型コロナウイルスのパンデミックからの急速な回復を表していると見る向きもある。だが、実はそうではない。いまのインフレの上昇は、不況に向かうリスクを暗示させる危険な兆候なのだ。それというのも、インフレ率上昇の背景のひとつになっているのが、失業時の収入が就労時のそれを上回るという奇妙な逆転現象である。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2021年5月14日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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アメリカで進行する異常事態、どうなるのか?

インフレと労働賃金上昇など、アメリカ国内で進行している異常な事態について解説したい。

5月12日、ダウ平均株価は、680ドルを超える大幅な下落となった。3日連続の続落である。この影響で、日経も大幅に下落した。461円の下げ幅である。これは11日の一時、前日比800円に迫った下落に続くものであった。

この下落の原因になったのは、アメリカのインフレ懸念の高まりによる長期金利上昇への警戒感である。

インフレは長期化する可能性が高くなっているので、米経済回復の妨げになることが警戒されている。

アメリカのインフレの恐るべき状況

すでに日本の主要メディアでも報道されているが、アメリカのインフレはすごいことになっている。当メルマガでも4月配信の第638回で次のような状況を紹介した。

鉄鋼   22%
石油製品 11%
住宅   13.4%(6月見通し)
材木   100%~300%(地域による)

これは特にインフレ率が高い品目であった。この記事を書いた4月後半の段階では、価格が安定していたものもまだ多かった。しかし、今回改めて調べて見ると、アメリカのインフレは、あらゆる製品に拡大していることが分かった。

【関連】日米共同声明に習近平が大激怒。「レアアース禁輸」発動で世界はインフレ地獄へ=高島康司

特に高騰していたのが、以下の2つである。

トウモロコシ 50%
リンゴ    20%

トウモロコシもリンゴも、加工食品の原材料として幅広い用途がある。当初は、生産者の努力で原材料価格上昇分は製品価格に転嫁せずに切り抜けるだろうが、それには限界がある。近いうちに、これらを原材料として使う加工食品の価格は一斉に上昇するはずだ。

また、予想もしなかったものの価格が上昇している。中古車と家賃だ。以下のようになっている。

中古車 40%(2019年4月比)
家賃  11%(全米平均)

インフレは、景気の回復時に見られる典型的な現象でもある。景気が回復すると、設備投資や賃金が上昇して国内の消費が活発になるからだ。

ということでは、アメリカで進行しているいまのインフレは、新型コロナウイルスのパンデミックからの急速な回復を表していると見る向きもある。

だが、実はそうではない。いまのインフレの上昇は、不況に向かうリスクを暗示させる危険な兆候なのだ。

Next: アメリカは「失業していたほうが収入がよい」歪んだ社会へ

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