10万円の再給付でも織り込んだ数字なのか?
しかも、足元の五輪強硬開催によって、デルタ株を中心とした変異株の爆発的感染が広がる可能性があります。
そのような現状で、10月から衣替えのように様子が変化してすっかり景気回復すると見通すのは、どう考えても無理があります。
むしろ感染拡大がもっと継続することすら想定しておかなくてはならない状況ではないかと危惧するところです。
本当にワクチン接種だけで、ここまで景気が短期間に回復すると想定しているのでしょうか?そうであればもう、こうした試算をすること自体が無駄すぎます。
これはもしかして、総選挙を見越して追加の給付金を支給することを、すでに織り込んでいるのではないでしょうか?
もしそうだとしても、米国の場合は現金支給が消費に直結しましたが、本邦の場合はまさかの時のために使わずに取っておくという家計がほとんどという結果が出ています。
そのことから、仮にひとり10万円の追加支給が実施されたとしても、前期比4%の成長を実現するのはほとんど不可能に思えてなりません。
到達の可能性がまったくない数字を出す政府の罪
この経済成長見通しというのは、少なからず日本株や為替に影響を与えます。
ですから、試算とはいえ、もう少し厳密な計算を実施したものを発表するべきです。
政権支持率が激下げしているなかにあって、少しでも耳障りのいい数字を出したいという内閣の気持ちは判らないではありません。
しかし、到達の可能性がまったくないものを出してくるのは、いかがなものかと思う次第です。