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岸田政権は日本株の敵か味方か。伸びる企業・低迷する企業トップ10を政策別に解説=栫井駿介

ネガティブ(?):公的価格見直し

さて、もう1つネガティブな影響があるとしたら、この公的価格の抜本的見直しです。

これも給与水準の話ですが、ここにある通り工程価格の抜本的に見直しということで、看護師、介護士、幼稚園教諭、保育士のどこの辺に関しては、大変なのに給料が安いということが問題になっているとしています。

これを引き上げていく為にこの公的価格評価検討委員会を作りたいという風に言っています。

ここに書いてあることが一部正しくないと思うのですが、「賃金が公的に決まるにも関わらず」とあるのですが、正確に言うと賃金が決まるわけではなくて、介護報酬が決まるということなのではないかと思います。

企業が提供するサービスに対して介護報酬、国から企業に支払われるお金が決まってくるというところになってきます。

そこから先の賃金は企業が必要なコストを差し引いたものが賃金というところになってきています。

これは基本的には介護報酬に依存するということを考えると、介護報酬が上がるということになるので、それは企業が受け取るお金が増えるということになりますから、従業員の給与を上げたとしてもそもそもの受け取る介護報酬が増えているので、その増えた分をそのまま従業員に流せばいいということだとしたら、プラマイゼロというところになると思います。

一方で例えば介護士などの最低賃金が、一般の最低賃金よりも大きく引き上がるということになると、単純にコストアップの要因となるので、企業に残る利益としてはマイナス要因になり得るというところです。

したがって介護に関していうと、介護報酬の引き上げだったならばプラスマイナスゼロというところかと思いますし、ただの賃金だけを確実に引き上げるということになるとマイナス要因になり得るのではないかという風に思います。

そもそもこの介護業界というのは人材の確保に苦しんでいますから、給料が上がってそこを志す人が増えるのだとしたら、それはそれでやりやすい環境のできるのではないかと思いますが、ただ短期的にはやはりコストアップ要因になり得るというところでもあります。

アフターコロナ

さて経済政策の所からは少し違う項目になるのですが、もう1つ注目すべき点としてはアフターコロナです。

岸田さんが言っているのはここにあります通り、電子的なワクチン接種証明の積極活用、そして予約不要の無料PCR検査場の拡大と簡易な抗原検査などの在宅検査手段の普及促進とあります。

これは菅政権でも勧められていたことですが、ワクチンを打った人あるいは陰性が証明された人に対しては、それを提示することでイベントや旅行、飲食そういったことができるようになるという風に言っています。

これは要するにアフターコロナということで、今苦しんできたところが少なくとも通常に戻るきっかけになるのではないかということが想定されます。

それで株価に関してはもし通常に戻った場合、2019年以前の業績から見て十分に割安だと思えるような企業だったら、買うタイミングとなってきているのではないかという風に思います。

社会経済活動の早期通常化ということを謳っているので、感性の拡大状況によってまた難しい部分もあるかと思いますが、いずれはコロナというのも終わりますから、そういった企業に目をつけてみても面白いかもしれません。

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