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4月から高校授業「金融教育」必修化も、ジュニアNISA“終了”のちぐはぐ感。投資は日本に根付くのか?=遠藤功二

4月から高校の家庭科で「資産形成」の授業が始まります。“とにかく貯金”という旧来の道徳感に大きなインパクトを与え、日本人の投資リテラシーが高まることが期待されています。(『億の近道』遠藤功二)

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プロフィール:遠藤 功二(えんどう こうじ)
日本FP協会認定CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、MBA(経営学修士)。大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当したが、組織のしがらみで顧客中心のサービスが提供できず、雇われFPとして働くことに限界を感じる。しかし、収入が途絶えることの恐怖から簡単には、会社から踏み出すことができず、ストレスを貯める日々を送る。FP資格やMBAをとっても、会社にお金で縛られていたら何もできない。「お金のためだけに働くつまらない生き方を他の人たちにはさせたくない。」という志を持ち、お金が原因で不幸になる人を少しでも減らすべく、教育特化のFPとして奔走中。

高校で家庭科「資産形成」が必修に

2月5日付の日本経済新聞の夕刊の一面に「高校生、投資を学ぶ」という記事が出ていました。

2022年4月から高校の家庭科で資産形成教育がスタートすることと、近年の株式相場の上昇、国が推している確定拠出年金やNISA制度の波もあって、日本の「貯蓄から投資へ」の流れはやっと大きなうねりになってきたと感じます。

「貯め込んでないで、投資しよう」という考え方は、社会が経済を動かすうえでも、個人が人生を豊かにするうえでも大切なことです。

貯め込んでいるだけでは、何も生まれません。

ジュニアNISAは終了へ

ところで、「貯蓄から投資へ」という流れがせっかくあるにも関わらず、ひとつ水をさす話があります。それは「ジュニアNISAの終了」です。

「ジュニアNISA」は未成年者が開設できる投資口座です。ちなみに「NISA」や「つみたてNISA」は、成人のみが開けられる口座です。

「学校カリキュラムに資産形成教育が到来!」→「やっとジュニアNISAの出番がきた!」と思いきや、終わってしまう。一見して、足並みが揃っていないように感じます。

ただ、ジュニアNISAはいったん終わって良かったのかもしれないと、最近、私は思います。

現行のジュニアNISAは使い勝手が悪く、消費者が敬遠するのもわかります。

18歳まで原則出せないルールや、ロールオーバー手続きをしないと長期投資できない5年ルールは結構な足かせです。 長期投資をさせたいのか、早く(5年以内)に売らせたいのかわからない、という感じです。子育て世代にとっては使いにくい制度です。

それに、高校で投資を学べば、18歳(2022年4月から成人)まですぐですから、とりあえずは高校教育とNISAは繋がります。高校生にとってはジュニアNISAは用済みです。

Next: ジュニアNISAは2024年以降から解約・出金が可能に

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