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「ウクライナ危機」はバイデンの嘘。ロシア側に侵攻する理由なし、“資源戦争”劣勢の米国が吠えているだけ=角野實

「資源大国」としての覇権を狙うプーチン

たとえば、西欧には、ノルドストリームがウクライナを通過してガスを供給しています。中国にはロシアの力と呼ばれるパイプラインが敷かれており、まだ一部しか完成をしていませんが、需要旺盛な中国にガスを供給しています。日本にはサハリン1.2などのパイプラインが開通をしています。

一方でウクライナを通るパイプラインは年間550億立方メートル供給をすることができますが、ウクライナを通るリスクを避けるためにノルドストリーム2をほぼ完成させています。これはノルドストリーム1と同量のガスを供給しています。

ところがトランプ政権時に国防権限法が成立をし、これによってノルドストリーム2に制裁が加えられています。これによってスイスの会社が工事から撤退することによって、開通が遅れている状態です。

こうやって考えていくと、ロシアはユーラシア大陸、アジアに供給を加速させており、その販売網を拡大させていることがおわかりになると思います。

そこにライバルとしてアゼルバイジャン経由のパイプラインや、米国のシェール革命によって2019年には米国が世界1位のガス生産国になっていることを考えていくと、ロシアの焦りが見えてくると思います。

ロシアにはウクライナに侵攻する理由がない

だいたいこれが概要になりますが、これらのことを考えていれば、どこにロシアがウクライナに侵攻をする理由が見つかるのでしょうか?

たとえばクリミアの占拠にしても、国民投票を行い、その結果、ロシアの支配領になることを国民が決定したのです。ロシアの支配領になることに賛成票が9割、というカウントには誰しもが疑問をもちますし、反対している人たちは投票しませんでした。

ただ、どちらにしても今、選挙をやり直したとしてもロシア支配ということは揺るがないと思います。

東ウクライナの紛争に関してもロシアはシリアに対しても、ロシア人の保護を名目に出兵をしています。東ウクライナ住民保護を名目に出兵したとしても、それは国家の責任というものであり、米国や西側が責められるものでもありません。

現実に米政府もこの行動に対して表立っての批判をしていません。よくわかっていない連中が適当なことを言っているだけです。

仮にロシアがウクライナに侵攻して、政権を転覆させ、ロシア寄り政権を樹立しても、プーチンの思惑は世界のエネルギー覇権国家になることですので、単にエネルギーの販売先を減らすだけで何もメリットはありません。そんなことをやったとしてもソ連のアフガニスタン侵攻が、ソ連の崩壊を早めたと言われるように、ウクライナに親ロ政権を作ってもコストばかりがかかり、メリットがないのです。

そんな間抜けなことプーチンが行うと本気で言っている連中が間抜けなだけであり、今回の米報道官や日本の外務省などは世界の嘲笑の的です。

要は、ウクライナ危機など、アメリカだけが騒いでいるだけのことであり、騒げば騒ぐほどエネルギー価格が上昇し、プーチンが儲かるだけ、ということはおわかりだと思います。

Next: アメリカはなぜ危機を煽るのか?

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